米通商代表にライトハイザー氏承認 対日強硬派、農業に的

2017/5/12 23:46
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 【ワシントン=河浪武史】米上院は11日、米通商代表部(USTR)代表にロバート・ライトハイザー氏(69)が就く人事を賛成多数で承認した。米国は日本が推し進める米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)発効を容認する一方で、日本には2国間交渉で農畜産市場の開放を求めていく考えだ。

 ライトハイザー氏は1980年代のレーガン政権時にUSTR次席代表を務め、対日鉄鋼協議で日本に輸出自主規制をのませた実績がある。その後は米鉄鋼業界の顧問弁護士などを歴任し、中国の不当廉売(ダンピング)是正などを厳しく求める強硬な交渉姿勢で知られてきた。

 トランプ政権の閣僚人事は僅差での承認が目立つが、今回は賛成82、反対14だった。米労働者保護につながる貿易協定見直しには野党・民主党内にも多数の支持がある。

 トランプ政権は年7千億ドルを超えるモノの貿易赤字削減に執念をみせており、ライトハイザー氏はロス商務長官とともにその実行部隊を率いる。対日赤字は中国に次いで2番目に大きく、米政権関係者は「ライトハイザー氏がUSTR代表に就任すれば対日圧力は一段と強まる」とみる。

 USTRは日本の農畜産分野の市場開放を求めてきた。ライトハイザー氏も3月の指名公聴会で「農業分野では、日本が第一の標的になる」と強い口調で指摘。「TPP参加国とは、2国間交渉でTPP以上の合意を目指す」とまで言明した。

 米食肉団体も歩調を合わせ、トランプ政権に日本との自由貿易協定(FTA)交渉を求める書簡を提出している。オーストラリアは日本と既に経済連携協定(EPA)を結んでおり、豪州産牛肉(冷凍)は関税が段階的に19.5%まで下がる。38.5%の米国産は著しく不利で、2015年には1割強も輸入量が減ったためだ。

 日本政府は米国抜きの11カ国によるTPP発効を目指す方針に転換した。ロス長官は9日の講演で「特に反対はしない」と静観姿勢をみせたが、内心は穏やかではない。米国はTPP離脱で、日本市場で豪州勢などにさらに後れを取る可能性があり、2国間交渉で強気な市場開放を求めてくるとみられる。

 米政権は日本の自動車メーカーなどにも影響が大きい北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を最優先課題としており、ライトハイザー氏の就任でカナダ、メキシコとの協議も加速する。対日協議はNAFTA再交渉後との見方があったが、政権関係者は「トランプ氏は18年の中間選挙前に通商問題を一気に片付けたがっている」と指摘する。

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