ファストリ会長、「デジタル」で国内テコ入れ AIなど活用

2017/4/14 0:45
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 ファーストリテイリングがグループを支える国内ユニクロ事業の再成長を急いでいる。1年前に始めた値下げ戦略が奏功し、国内ユニクロの収益は改善してきた。ただヒット商品が少なく、売り上げは伸び悩む。国内の店舗を増やす余地が狭まるなか、柳井正会長兼社長は「デジタル」を旗印にして、屋台骨である国内ユニクロのビジネスモデル刷新を目指す。

 「残念ながら日本の給料は上がっていない。値上げは今のところ考えられない」。都内で13日に会見した柳井氏は断言した。

 国内ユニクロ事業の2016年9月~17年2月期の売上高は、前年同期比0.3%増と横ばいにとどまった。国内ユニクロは売上高で4割超、営業利益で5割を稼ぐなどグループを支える。国内でのユニクロの低成長は、世界トップの衣料品チェーンを目指すというファストリの成長戦略を揺るがしかねない。

 16年初めまで実施した値上げ戦略の結果、顧客離れに見舞われた国内ユニクロ。値上げ策を当面選べないなか、いかにして国内ユニクロ事業を成長させるか――。その答えのひとつとして、柳井氏はグループ全体の新しいビジネスモデルとして「情報製造小売業」を掲げる。ファストリ成長の原動力となった、衣料品の企画・製造から販売までを一貫して手掛ける「製造小売業(SPA)」とデジタルの融合だ。

 ファストリのすべての業務をデジタルで一元管理する構想を描く。消費者がほしいと思う商品を人工知能(AI)なども活用して分析し、その情報が同時に工場、物流、店舗にも流れる。シーズン前に企画・生産を終える従来の衣料品流通の仕組みを大幅に変え、「消費者が求めているものだけをつくる」(柳井氏)体制を構築する。

 すでに東京・江東に新設した倉庫で様々な部署の人間がワンフロアに集まって働き始めており、デジタル・リアル両面で情報共有が進む。さらに今春、スマートフォン(スマホ)向けの電子商取引(EC)サイトを大幅刷新。服の画像からユニクロの似た商品を探せる機能を追加するなど、消費者が使いやすいようにした。

 デジタルで店舗や工場などすべての情報をつなげば、在庫になってしまう商品をつくらなくてすむ。実現に向けて組織改革やシステム改革には既に着手し、2年内の完遂を目指している。

 2020年に3兆円とする売上高目標。けん引役はアジアを中心とする海外ユニクロ事業だが、国内ユニクロの安定成長がなければ、成長スピードは失速しかねない。デジタルは肥沃な成長余地を持つ海外だけでなく、飽和感が出てきた国内市場のさらなる深耕にもつながる。

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