東芝、適正意見なく決算 債務超過2256億円

2017/4/12 1:34
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 東芝は11日、2度延期していた2016年4~12月期の連結決算を発表した。米国の会計処理を巡り監査法人との溝が埋まらず監査の適正意見がない異例の決算となった。監査のお墨付きを失い東芝の信頼は低下が避けられず、決算には東芝の事業継続に「重要な疑義がある」との注記が付いた。5月の本決算への影響も懸念され上場維持へ予断を許さない状況が続く。

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 4~12月期の連結売上高は前年同期比4%減の3兆8468億円、最終損益は5325億円の赤字(前年同期は4794億円の赤字)だった。株主から預かったお金である自己資本は2256億円のマイナスと初の債務超過に陥った。

 17年3月期の業績見通しは公表しなかった。米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)の破産法申請の影響が不透明なためだ。ただ、この影響を織り込んだ試算値として3月末に最終赤字1兆円強、債務超過6000億円強という予想を示している。

 記者会見した綱川智社長は監査意見の不表明に対し「適切な調査を終えただけに遺憾」と強調した。監査の不表明は経営破綻したスカイマークなどの例があるが、大手製造業では異例だ。

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 監査意見は財務諸表の正確性を担保するものだ。財務諸表は金融機関との融資契約などの前提となり、株式市場で投資家が株を売買するのにも必要な情報になる。

 東京証券取引所によると監査意見の不表明が直ちに上場廃止につながるわけではない。ただ、新たな不祥事の発覚などで「市場の秩序を維持できない」などと判断された場合は上場廃止になる可能性がある。

 4~12月期決算は年度途中の簡易監査の意味合いが強い。東芝は本決算での適正意見の獲得を目指して期日通りの決算発表を優先した。しかし監査法人との意見の相違が解消するメドは立っていない。本決算でも適正意見を得られなければ東証の審査も厳しくなる可能性がある。

 東芝は会計不祥事を受けて内部管理に問題がある特設注意市場銘柄に指定されており現在、管理体制の改善を審査中だ。決算発表の延期と監査意見の不表明は指定解除の審査に影響する。11日の記者会見で、東芝は監査法人を変更する可能性も示唆した。

 監査法人と見解が対立したのはWHの会計処理だ。一部経営者による従業員への過度な圧力が判明、監査委員会が調査して「昨年12月下旬以降に行為があった」と報告したが、監査法人は「過去にもあったのでは」と疑義を唱えて追加調査が必要だとしている。

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