米雇用、2月23.5万人増 市場予想を大きく上回る

2017/3/11 1:32
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 【ワシントン=河浪武史】米労働省が10日発表した2月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数が前月比で23万5千人増えた。増加幅は市場予測(19万人程度)を大きく上回り、失業率も4.7%と前月比0.1ポイント改善した。好調な雇用情勢を受けて、米連邦準備理事会(FRB)は14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で昨年12月以来の利上げを決断する見込みだ。

 イエレンFRB議長は雇用統計の目安として「月7万5千~12万5千人の就業増」を挙げており、2月の指標はそれを大きく上回った。雇用者の増加幅は好調の目安とされる20万人を2カ月連続で上回った。直近3カ月でみても増加幅は月平均20万9千人と力強さを保っている。失業率は改善し、FRBが完全雇用とみる水準にほぼ達している。

 平均時給は26.09ドルで前年同月比2.8%増えた。賃金の伸び率は08年の金融危機前の水準には届かないものの、雇用情勢の逼迫によって緩やかに上向いている。FRBは雇用増が賃金増につながり、さらに物価全体を押し上げる流れが強まっているとみている。

 就業者数を業種別にみると、トランプ大統領が雇用維持にこだわる製造業は2万8千人増と、直近1年間で最も高い伸びとなった。建設業も5万8千人増と大幅に伸び、一部地域では人手不足の懸念も浮かんでいる。サービス分野ではヘルスケア産業や接客業が好調だったが、小売業は3カ月ぶりに減少した。

 FRBの利上げペースは15年、16年ともわずか年1回にとどまってきた。イエレン氏は17年は「以前のように緩やかなものにはならない」とも強調。市場では14日からのFOMCでの利上げも含め、年内に4回の利上げが視野に入るとの観測もある。

 米失業率は5%を下回って完全雇用にほぼ達しており、賃上げ圧力の高まりなどで個人消費支出(PCE)物価指数も約4年ぶりの高い伸び率となった。「政策金利の正常化が進むにつれ、金融政策はバランスシートに徐々に焦点を当てるようになる」。1日、利上げに慎重なハト派として知られるブレイナード理事はそう言及した。保有資産の圧縮にいつ着手するか、次回のFOMCで議論を開始する見込みだ。

 「政策金利が1%になれば、資産縮小に着手できる」。FRB元副議長のドナルド・コーン氏はそう指摘する。足元の政策金利は0.50~0.75%。14~15日の会合で利上げすれば、政策金利は1%に近づき、年内にも資産圧縮に着手する可能性が出てくる。FRBは再投資を停止することでゆっくりと保有資産を圧縮していく考えだが、政策運営は金利と量の二重の金融引き締めとなる。

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