豊洲市場の盛り土問題、地下水の汚染管理必要 専門家指摘

2016/9/19 2:00
保存
印刷
その他

 東京都の豊洲市場(江東区)の建物下に「盛り土」がされていなかった問題で、都の土壌汚染対策が焦点になっている。専門家会議は新たに盛り土はしない考え。今のところ問題となるような量の有害物質は検出されていないが、専門家からは定期的なモニタリングや、地下水の徹底した管理を求める指摘が出ている。

 都は17日、地下空洞の床にたまった水からヒ素と六価クロムを検出したが、いずれも環境基準を下回る微量だったと明らかにした。ベンゼンは検出されなかったが、揮発性があるため、大気中に放出されている可能性もある。

 ベンゼンは発がん性が指摘されている。工場跡地である豊洲市場の敷地からは環境基準の4万3千倍の濃度で検出された。都の専門家会議は2008年、汚染物質の影響を「より確実に防止するため」として4.5メートルの盛り土を提言。ただ再招集された会議でも座長を務める平田健正・放送大和歌山学習センター所長は17日の記者会見で「(今の状態で)盛り土をするのは物理的には難しい」と述べた。

 「高濃度のベンゼンが地下空洞で検出されることはないのではないか」。大手シンクタンクの土壌汚染対策担当者はこう推測する。

 地下空洞の床の一部は砕石層がむき出しで、その上に水がたまっていた。10月には地下水を浄化してくみ上げ、地上に排水する井戸が本格稼働する予定。この仕組みが機能すれば、地下にベンゼンがあったとしても汚染が建物などに及ぶことは防げる、とみる。

 ベンゼンは気化しても空気より重く、地下深くから上昇してくる可能性は低い。ただ地震などで地盤が大きく壊れた場合などは地表に漏れる危険もあり、「定期的なモニタリングは必要」。NPO法人日本地質汚染審査機構の楡井久理事長も「地層のずれなどで、高濃度の有害物質が地下水に含まれあふれる危険性がある」と指摘する。

 都が17日に公表した水質検査について、高村弘毅・立正大名誉教授(地下水汚染学)は「水源が一つか複数かを確かめる必要がある。水源が複数あれば、水に含まれる有害物質の量が増減する可能性がある」と指摘する。水源が複数の場合、新たな亀裂が生じて地下水が漏れ出す可能性もあり、対策には時間がかかるとみられる。

保存
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

平田健正盛り土高村弘毅楡井久

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:01
7:00
東北 7:01
7:00
関東 7:01
7:01
東京 7:00
7:00
信越 8:00
7:01
東海 7:01
7:01
北陸 6:32
6:30
近畿 6:00
6:00
中国 6:02
6:01
四国 6:02
6:01
九州
沖縄
2:02
2:01

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報