羽田、増便へ前進 都心飛行で自治体と合意
国際線旅客5割増

2016/7/29 0:30
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 羽田空港の発着枠が2020年の東京五輪・パラリンピックの前に年3.9万回増える方向が28日、固まった。都心上空の飛行ルート採用を関係自治体が了承した。いまある滑走路の使い方を工夫して、増大する航空需要に対応する。国土交通省は羽田の国際線旅客が現行の1.5倍の1964万人に増え、経済効果は年6500億円に上るとみている。

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 国交省は14年に成田空港を含めた首都圏空港の容量を1割ほど増やす案をまとめた。羽田は離着陸する航空機の飛行ルートを変えるのが柱だ。いまは主に東京湾上空を飛んでいるが、都心上空を通るルートにして、滑走路を効率的に使えるようにする。南風が吹いているときは都心上空から進入し、東京湾に向けて出発。北風時は東京湾から入る。

 国交省は28日に開いた自治体との協議会で、住民から懸念が出た騒音や安全への対応策を示した。当初案より飛行高度を上げたり、静かな飛行機を増やしたりする。東京都や埼玉県など関係自治体は国交省の対応策を評価して、国の予算措置を認める考えを示した。

 飛行経路の変更には、誘導路や航空保安施設の整備が必要となる。国交省は17年度予算の概算要求に必要な経費を盛り込む。3年ほどで工事を終え、東京五輪の前に新たな運用を始める。

 羽田の年間発着枠は現行の約45万回から49万回に増える。国交省は増えた分を乗り入れ希望が多い国際線に割り振る。昼間時間帯の国際線は年6万回から9.9万回に増える。国交省の試算では国際線の旅客が705万人増え、うち外国人が294万人を占める。

 都心に近い羽田空港の発着枠が増えると、都内から海外旅行や海外出張に行きやすくなる。羽田は地方空港とのネットワークも充実しており、地方から乗り継いで海外に行くのも便利になる。

 大手航空会社も羽田の容量拡大を歓迎している。全日本空輸の篠辺修社長は28日の協議会を受けて「成田・羽田と海外を結ぶ国際線の路線拡充に積極的に取り組んでいく」とのコメントを発表。日本航空も「首都圏在住の人だけでなく、日本各地の人、訪日外国人の国内各地域への流動に資する」と評価した。

 日本への訪日外国人旅行客は15年に1974万人に急増し、政府は20年までに訪日客を4000万人に増やす目標を掲げる。羽田の容量拡大は訪日客の受け入れ環境を整える第一歩といえる。

 協議会に出席した一橋大学の山内弘隆教授は「容量拡大の検討を始めたころと状況は一変した。今回の容量拡大は必要最低限だ」と指摘した。成田国際空港会社や国交省は成田空港の3本目の滑走路増設なども検討している。

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