AIで人事部いらず? データで最適配置
ビズリーチやヤフー、人との役割分担探る

2016/6/15 3:30
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 会社の人事が不透明との不満はつきもの。ここに目を付けた人工知能(AI)サービスが登場した。人材紹介のビズリーチ(東京・渋谷)とヤフー、米セールスフォース・ドットコムは14日、仕事ぶりなどのデータをもとにコンピューターが採用や評価、配属を決める事業を始めると発表した。いずれ人事部はAIに取って代わられるのか。

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 IT(情報技術)を使って採用、評価、配属をする手法は「HRテック」と呼ばれる。独SAPや米オラクルがシステム作りで先行し、欧米では広がっている。金融とITを組み合わせた「フィンテック」や教育とITの「エドテック」に続くITの新しい潮流だ。

 ビズリーチなど各社は、今秋から独自の勤怠管理、評価ツールを顧客企業に導入する。採用面接から現在に至る評価の積み重ねだけでなく、働きぶりを追跡調査してデータベースにする。これを、大量のデータから特徴を自分で見つけて学習するAIの基幹技術、深層学習(ディープラーニング)で分析。評価や最適な職場、ポジションをはじき出す。通常料金は月額10万円から。2019年6月までに2000社以上の導入を目指す。

 欧米では小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズなどがHRテックを導入して実際に使い始めているという。クレディ・スイスは転職しそうな人を対象にこの仕組みを使い、最適な職場を割り出して異動させた。これにより、離職者を約300人減らすことに成功した。職場のミスマッチが減り、働きやすい環境づくりに生かせた。

 日本では採用をITで支援するサービスをリクルートキャリア(東京・千代田)やインテリジェンスが始めたが、HRテックは始まったばかり。

 ビズリーチの南壮一郎社長は「これまで人事評価は(上司の)勘や経験に頼ることが多かった」と指摘する。能力・実績主義が浸透してきたと言われながら、実際は飲み会の場で人事が固まることもあるなど不透明さは拭えない。

 デジタル革命が多くの部門で進むなか、勘や経験をベースにしたアナログな判断も目立つ人事部。好き嫌いで評価が左右され、社員が士気を下げてしまうことだって少なくない。だからこそAI人事の需要は大きいとの見方がある。一方、日本的な慣行のなかで順調に出世してきた人は、勢いをそがれかねない。

 人事のAI化が日本でも進めば、社員の働き方や人間関係は変わるだろう。日本能率協会コンサルティングHRM革新センターの村上剛センター長は「それでも人事部がいらなくなることはない」とみる。

 過去や現在のデータを駆使するAIは、変化の少ない経営環境で効果を発揮しやすい。しかし、技術革新や突然の環境変化でまったく新しい人事戦略を打ち出す必要に迫られたら、頼りになるのは人の力だ。

 華々しい成果を裏で支えてきた人たちを正当に評価できるかも、ハードルになる。人事部でも人とAIの役割分担を探る必要がある。

(上原翔大)

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