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九大、遺伝子のタイプによって寒冷刺激に対する非震え産熱反応に違いがあることを実証

2017/7/17 18:05
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発表日:2017年7月17日

痩せ型遺伝子は寒さに強い!?

-遺伝子による体の産熱反応の違いを初めて実証-

 

 九州大学大学院芸術工学研究院の西村貴孝研究員(現長崎大学大学院医歯薬学総合研究科助教)、綿貫茂喜教授、北里大学医学部の勝村啓史研究員(現岡山大学日本学術振興会特別研究員)、太田博樹准教授らの共同研究グループは、現代人においてUCP1(uncoupling protein 1)遺伝子のタイプによって寒冷刺激に対する非震え産熱反応に違いがあることを初めて実証し、UCP1の進化が人類の寒冷地進出に重要であったとする仮説を支持しました。

 非震え産熱とは、筋肉の収縮を伴わずに熱を産生する生理反応です。現生人類(ホモ・サピエンス)は10万年前にアフリカ大陸で誕生し、約7万年前に寒冷地を含む世界の様々な地域へ広がりました。その際、遺伝的変化を伴う非震え産熱の効率化が重要であったとする仮説が提唱されてきました。近年、その非震え産熱には肥満の程度や褐色脂肪細胞でエネルギー代謝に関連するUCP1が関与することや、UCP1上の特定のバリエーションが高緯度・寒冷地域の人類集団に多く存在していることが報告されています。これら先行研究はUCP1と人類の寒冷適応との関連を想像させますが、一部の人がもつUCP1のタイプが体の産熱反応に違いを生むかを実際に調べた研究はこれまでありませんでした。今回の研究では、九州大学大橋キャンパスにある「環境適応実験施設」において、男子大学生47人に非震え産熱が起こる16℃の部屋で90分間滞在してもらい、産熱反応の指標となる酸素摂取量を測定しました。続いて、北里大学において被験者のDNAから個々人のUCP1のタイプを分析し、酸素摂取量との関連を調べました。その結果、UCP1タイプと酸素摂取量が関連していることを明らかにし、特定のUCP1タイプは他のタイプより高い産熱能力を示すことを発見しました(図1)。そしてこのタイプの頻度は、年平均気温が低い地域に住む人類集団ほど高いことが国際ゲノム情報データベースを調査して分かりました(図2)。もともとUCP1は肥満症との関連で良く知られ、上述の産熱能力の高いUCP1タイプではないタイプが肥満と関係していると言われてきました。つまり、体に蓄えた脂肪を熱エネルギーに変化させやすい痩せ型のUCP1タイプを持つ人が寒冷地域で高頻度であることがわかったのです。これにより「産熱能力が高い遺伝子を持つことが寒冷地で生き残るのに有利だった」という推理が成り立ちます。本研究では生理学的な産熱反応とUCP1遺伝子タイプとの明確な関連を世界で初めて示しました。これは、UCP1の進化が人類の寒冷地への拡散を可能にした一つの要因であったとする仮説を強く支持します。

 本研究成果は、2017年7月17日(月)午前10時(英国夏時間)に国際学術雑誌「Scientific Reports」にてオンライン掲載されます。

 ※グラフ資料などは添付の関連資料を参照

 

 リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

グラフ資料など

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0451256_01.JPG

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