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東大、バンドエンジニアリングを用いて磁性を人工的に制御できる可能性を開拓

2017/5/23 14:35
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発表日:2017年5月23日

バンドエンジニアリングを用いて磁性を人工的に制御できる新たな可能性を開拓

~量子閉じ込め効果を用いた新たな磁化制御~

1.発表者:

 宗田 伊理也(研究当時:東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻特任研究員/ 現在:東京工業大学工学院 助教)

 大矢 忍(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻・総合研究機構 准教授)

 田中 雅明(東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻 教授スピントロニクス連携研究教育センター センター長)

2.発表のポイント:

 ◆強磁性の量子井戸薄膜の膜厚を変えて正孔の量子閉じ込め効果の強さを変えることにより、磁化の向きやすい方向(磁化容易軸)を人工的に制御できる新たな可能性を示した。

 ◆電子や正孔の量子閉じ込めの強さの変化によって磁化容易軸が変化することは、理論的にも予測されていなかった。本研究の実験で初めて明らかとなった。

 ◆将来のスピントロニクスを用いたデバイスにおいて、低い消費電力で磁化を制御できる新たな方式の実現につながる。

3.発表概要:

 電子デバイスのさらなる低消費電力化は、IoT/IoE社会を実現する上で必要不可欠となっています。電子の電荷とともにスピンを用いる「スピントロニクス」は、新しい原理の電子材料、デバイスや情報機器をつくりその消費電力を削減する技術を創出することが可能な分野として期待されています。

 スピントロニクスを用いたデバイスにおける最も大きな問題のひとつは、磁化を反転させる時に大きな消費電力を必要とすることです。強磁性材料内の磁化の向きやすい方向(磁化容易軸)を人工的に制御することができれば、この消費電力を大幅に低減できることが期待されます。

 本研究で、東京大学大学院工学系研究科の宗田伊理也特任研究員(当時)、大矢忍准教授、田中雅明教授らのグループは、バンドエンジニアリング(注1)の概念を用いて強磁性材料の磁化容易軸を人工的に制御する新しいコンセプトを提唱し、それが実現可能であることを実験的に実証しました。

 半導体でありながら強磁性を示す強磁性半導体というユニークな材料を、ナノメータ程度の非常に薄い量子井戸(注2)層として用いて、この量子井戸層の膜厚が異なり量子閉じ込めの強さが異なる様々なトンネルダイオード素子(注3)を作製しました。磁化を様々な方位に向けた状態でバイアス電圧(注4)を変えてトンネル電流(注5)を測定しました。量子閉じ込め効果の強さとバイアス電圧によって、磁化容易軸の方向(厳密には状態密度の磁化方位依存性)が大きく変化することを初めて見い出しました。

 本研究は、半導体で培われてきたバンドエンジニアリングの概念を強磁性体に応用した非常にユニークな例であり、将来、新しい磁性の制御方法の実現と電子デバイスの低消費電力化につながることが期待されます。

 ※リリース詳細は添付の関連資料を参照

 

 

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

リリース詳細

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0445817_01.pdf

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