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「申し子」早世 喪失感深く 関西ラグビーと傑物たち(4)
軌跡

2017/8/10 17:00
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 どの世界にも申し子と呼ばれる人がいる。ラグビーでは平尾誠二がそうだ。京都・陶化中(現凌風中)で一緒にプレーした綾城高志(ラガール7ウエスト監督)によると2学年上の平尾は「既に周りと違うオーラを放っていた」。ステップが華麗で走りがうまく、キックもパスも秀逸。「おまけに頭がいいし男前」(綾城)

平尾氏は卓抜なプレーでファンの視線を独り占めした
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平尾氏は卓抜なプレーでファンの視線を独り占めした

 統率力も抜群で、行った先々でチームは凱歌(がいか)を揚げた。京都・伏見工高で全国高校大会を初制覇。同志社大では1982年度から史上初の全国大学選手権3連覇、神戸製鋼では全国社会人大会と日本選手権を7連覇。スタンドオフやセンターでの卓抜なプレーと端正な顔立ちでファンの視線を独り占めした。

 同大と神戸製鋼でも同僚だった綾城にとって平尾は「生涯の師匠」。プレーぶりに加えて後輩の心をつかんだのが「思考の深さ」だ。綾城の印象に残るのが84年度大学選手権決勝。自陣ゴールライン手前でフォワードが慶応大にスクラムを押される中、平尾が叫んだ。「トライさせてまえ!」

 フォワードが耐え続けた末に逆転され、時間が尽きれば元も子もない。ならば早めにトライさせて再逆転を期す「常人とは違う見方」(綾城)。この後、同大はとっさの配置変更でスクラムを立て直し、平尾の奇策なしに3連覇を遂げる。

 神戸製鋼と日本代表で監督も務めた平尾は、親しみやすい性格で京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥ら各界に友人を持った。ラグビー界の枠にこもらない姿は「ミスター・ラグビー」の声価をより高めた。

 次々に強敵を倒してきた猛者も病には勝てず、昨年53歳の若さで死去。ワールドカップ日本大会を2019年に控えての旅立ちに、今も多くの関係者が喪失感を拭えないでいる。巨星が残したものはそれほどまでに大きかった。(敬称略)

=この項おわり

 次回は「踊る!バレエ団」

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