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次は養殖魚イメージ向上 海を耕す(7)
軌跡

2017/3/24 6:00
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 近畿大学の一般入試志願者数は2017年度、過去最高の14万6896人に達し、この10年間で約2.1倍になった。学長の塩崎均は「知名度向上に完全養殖クロマグロは大きく貢献した。東京出身の学生も増え、特に農学部水産学科は人気がある」と話す。

水産研の「勝利の方程式」を環境分野に応用する近大の塩崎学長
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水産研の「勝利の方程式」を環境分野に応用する近大の塩崎学長

 学生は付きっきりで養殖魚の世話を続ける。鮮魚店に並ぶ魚の顔を見て「これは近大産」と識別できるつわものもおり、企業からは「水産研究所の学生が欲しい」と“指名買い”が入る。就職率は100%だ。

 マグロは近大のイメージを高め、全国区の大学へ押し上げた。次の課題は養殖魚のイメージ向上だ。「ブランド化に成功した牛、豚、野菜はすべて人間の知恵で作り出した。魚だけがなぜ、いまだに天然崇拝が続くのか」と問題提起する。

 自然界で食物連鎖の頂点に位置するマグロ類はメチル水銀を蓄積しやすい。だが養殖ならリスクを低減できる。「養殖魚はいつ、どこで生まれ、エサに何を与えたかすべて把握してトレーサビリティー(生産履歴の追跡)を徹底している」(塩崎)。安全面で養殖魚ならではの優位性がある。

 1948年に誕生した水産研は来年、古希。大学としてはそろそろ次代を担う新機軸が欲しい。塩崎は植物由来の廃棄物を加熱加圧して作る燃料「バイオコークス」に期待する。温暖化ガス削減に貢献する技術だ。08年、北海道恵庭市に「バイオコークス量産実証実験センター」(現バイオコークス研究所)を開設、14年からマレーシアで試験も始めた。水産研が磨き上げた「勝利の方程式」を踏襲する。近大初代総長、世耕弘一の言葉にならえば「海」の次は「森を耕す」のである。(敬称略)

=この項おわり

 次回は「琵琶湖周航の歌 100年」

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