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東南アでも養殖に貢献 海を耕す(5)
軌跡

2017/3/22 6:00
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 2月23日午後、近畿大学農学部(奈良市)の211教室。「魚類の完全養殖の高度化」と題したシンポジウムを聞こうと教授や学生、一般聴講生ら150人が詰めかけて満員になった。大きく育つクロマグロの親魚選抜に役立つDNAマーカーの開発、ハタ類の成長を早める交雑種開発など発表テーマは多彩だった。

大豆たんぱくで作った飼料について発表するアマル講師(奈良市の近畿大学農学部)
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大豆たんぱくで作った飼料について発表するアマル講師(奈良市の近畿大学農学部)

 富山実験場(富山県射水市)でマアナゴ完全養殖を目指す教授の太田博巳は「水温25度以上で衰弱しエサを食べなくなるが、富山湾の水深100メートルで採取した低温の深層水だと大きく育つ」と語った。マアナゴはこの10年で漁獲量が3分の1以下に減り、特に瀬戸内海では6分の1以下に激減した。水産研究所所長の升間主計は「アナゴの研究は、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの養殖技術への波及が期待できる」と指摘した。

 富山名物「ます寿司」に使うサクラマスは同県の漁獲高減少で輸入に依存している。富山実験場は長野県から導入した体重200グラムの種苗を海水で育て、約7カ月で平均1.56キロまで大きくした。教授の家戸敬太郎は「詳しい仕組みはまだ分からないが、海水で育てると成長ホルモン分泌が活発になる」と報告した。

 講師のビッシャシュ・アマルは原料に大豆たんぱくを用いた低環境負荷飼料について発表した。「価格が高騰し、供給が減っている魚粉を代替できる」という。魚種すべてには使えないが、食べ残したエサで海が富栄養化するのを防げる。

 近大は2004年にマレーシア・サバ大学と学術協定を結び、水産養殖業振興を手伝っている。水産研はこれまでに92人の研修生をサバ大から受け入れた。寒い富山から暖かいマレーシアまで、水産研の貢献先は多岐にわたる。(敬称略)

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