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戦国時代の合戦・文化、展示相次ぐ 動乱の世相 息遣い鮮明

2017/3/12 6:00
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 戦国時代の合戦や文化に焦点を当てた展覧会が、関西で相次いで開かれている。戦いの様子を描いた屏風絵や武具類、そして鉄砲や大砲などの火器を目の当たりにすれば、戦国大名や武将たちが覇を競った時代の空気を体感できる。3つの展覧会の見どころを紹介する。

22日から4月16日まで京都文化博物館で展示される「真如堂縁起 下巻」=部分、重要文化財、掃部助久国/筆、三条西実隆・公助/詞書、外題/後柏原天皇/筆、大永4年(1524)真正極楽寺蔵
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22日から4月16日まで京都文化博物館で展示される「真如堂縁起 下巻」=部分、重要文化財、掃部助久国/筆、三条西実隆・公助/詞書、外題/後柏原天皇/筆、大永4年(1524)真正極楽寺蔵

 京都文化博物館(京都市中京区)で開催中の「戦国時代展」(4月16日まで)は、この時代に関連する絵画や工芸品、甲冑(かっちゅう)、書状など約180件を集めた大型の企画展だ。中でも大きな話題を呼んでいるのが狩野派を代表する絵師、狩野永徳の国宝「洛中洛外図屏風 上杉本」(米沢市上杉博物館蔵、3月12日まで展示)。織田信長が上杉謙信に贈ったとされ、数ある洛中洛外図の中で最も有名な作品の一つだ。

 同じく注目したいのが3月22日から展示される「真如堂縁起 下巻」。応仁の乱を同時代の絵師が描いた唯一の作品とされ、貴重な史料だ。山中でのゲリラ戦や敵味方入り乱れての戦闘シーンなど、迫真の描写は見応え十分。「最高級の美術作品であると同時に、最高級の史料としても高く評価できる」と同館の西山剛学芸員は言う。全体として戦国時代の文化や風俗などを幅広く知ることができる内容になっている。

 大阪城天守閣(大阪市中央区)では「鉄砲と戦国史」展が開かれている(16日まで)。鉄砲や大砲、それらに関連する史料など約50点を紹介する。火縄銃と一口に言っても全長30センチ程度から3メートル超のものまで、実に多種多様であることにまず驚かされる。

彦根藩2代藩主の井伊直孝所用と伝わる「朱漆塗燻韋威縫延腰取二枚胴具足」=彦根城博物館蔵
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彦根藩2代藩主の井伊直孝所用と伝わる「朱漆塗燻韋威縫延腰取二枚胴具足」=彦根城博物館蔵

 鉄砲は16世紀中ごろ日本に伝来し、砲術師を介して各地に広まった。鉄砲の浸透と展開から戦国史を読み解く展示だ。この時代、鉄砲が一気に広まって戦のあり方を一変させてしまったとのイメージも強い。しかし「実際には徐々に存在感を強めていったことが分かります。その大きなピークが大坂の陣でした」と同館の岡嶋大峰学芸員。

 戦国時代の武具や美術工芸品を見た後は、それらが江戸期にどう引き継がれていったかも見てみたい。彦根城博物館(滋賀県彦根市)の常設展「ほんものとの出会い」は、10日に改修を終えた展示場を中心に、彦根藩主の井伊家に伝わった武具や史料、工芸品、装束など約80件を展示する。

 井伊家と言えば藩主から士卒まで甲冑や旗類などの軍装をすべて朱色で統一した「赤備え」が広く知られている。2代藩主、直孝の所用と伝わる甲冑「朱漆塗燻韋威縫延腰取二枚胴具足」は実戦向きの重厚な作りで、戦国の気風を色濃く受け継ぐ。「後の時代の赤備えの基本の型となった具足の一つです」と、同館の高木文恵学芸員は言う。

 3つの展覧会から伝わってくるのは戦乱の世を生きた人々の息遣いだ。戦国時代といえば秩序の無い時代との印象も強いが、個々の戦国大名が経済力と文化力を蓄え、各地で多様な実りをもたらした時代でもある。この時代の技術の粋を凝らした絵画や工芸品の数々を見れば、戦国時代のイメージががらりと変わってしまうかもしれない。

(大阪・文化担当 田村広済)

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