懐かし駄菓子 あの味はいま(とことんサーチ)
大人や外国人 「バー」で楽しむ

2016/5/14 6:00
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 「ココアシガレット」「ミニコーラ」「セコイヤチョコレート」など、大阪には半世紀近く愛されてきた駄菓子が多い。少子化や駄菓子店の減少といった逆風をよそに、最近は大人や外国人の顧客を集めている老舗のメーカーが多いらしい。子供以外のファンが広がる浪速の駄菓子事情を探った。

1時間500円で駄菓子が食べ放題の「A-55」は20~30代の大人でにぎわう(大阪市北区)
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1時間500円で駄菓子が食べ放題の「A-55」は20~30代の大人でにぎわう(大阪市北区)

 まず1時間500円で駄菓子食べ放題の店が大阪駅近くにあると聞いて足を運んだ。その名も放課後バー「A―55」。会社員などの大人が飲み会やデート、合コンなど様々な目的で集まり盛り上がる。「駄菓子は大人も笑顔にする。嫌いな人はめったにいない」とオーナーの櫨(はぜ)山貴之さん(30)は語る。

 スーパーなどが普及し、百円玉を握りしめて子供が通うような駄菓子店は減った。コンビニエンスストアも駄菓子の品ぞろえは限られる。そんななか「昔の味を楽しみたい」「子供に伝えたい」という大人が集まる場として駄菓子バーは支持されている。

 実際、1940~50年代に創業したメーカーが多い大阪では定番商品が大人に高い知名度を誇る。市内で20~50代の30人に尋ねたところ、28人がココアシガレット(オリオン)を知っていると答えた。守口市在住の野間薫さん(52)は「年を重ねても食べたくなる。昔から舌になじんでいる味やから」と興奮気味に語る。ミニコーラ(オリオン)は30人中20人が知っていると回答。「ぼんち揚」(ぼんち)も24人が知っていた。

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 さらに後輩記者は駄菓子問屋が集まる大阪市の松屋町筋に向かった。65年の歴史を持つ藤田商店の売れ筋はココアシガレットやミニコーラ。「50~60代が子供の頃の懐かしい味を求めている」と店長の安田大介さん(36)は語る。

 「中国や台湾、韓国からのお客がここ2年ほど増えた」と安田さんは続ける。SNS(交流サイト)で口コミ人気が高まったチョコ菓子が人気。そういえば駄菓子バーの櫨山さんも「外国人連れの顧客が増えた」と言っていた。

 菓子を題材にした日本のゲーム、漫画やアニメが外国人に話題を呼び、インバウンド(訪日外国人)効果が波及したようだ。さらに新規客を広げる要因となったのが時流に合わせたメーカーの工夫だ。

 「セコイヤチョコレート」で知られるフルタ製菓は麦チョコ「大人のむぎっ子」、ちょっぴり高級感を出した「贅沢(ぜいたく)いちご」など、大人を意識した商品を販売している。量や味を工夫して大人をつかみ、子供らにも薦めてもらう回り道作戦だ。企画開発部の塩谷雄さんは「知名度はあるので入り口を増やしている。最後は定番品に帰ってほしい」と語る。

 「パインアメ」で知られるパインは大人向けに税別150円の大袋商品を販売している。今春には100円ショップ向けに大袋あめ「祭り飴」を発売。りんごあめ味など祭りを意識した味やパッケージで外国人にも訴求する。

 地元の商業施設や異業種企業と連携するコラボ作戦も。オリオンは商業施設に自社の商品を来店者向けの販促物に使ってもらい、顧客の目に付く機会を増やしている。

 海外に輸出する試みも始まった。岡山県の菓子問屋が主体となり昨年に発足した全国組織「DAGASHIを世界用語にする会」にはオリオンなどが参加。昨年11月にはパリでPRイベントを開いた。

 世代や国を超えてファンが広がれば100年続く商品も出るかも。私も駄菓子バーで昭和の味を勉強しよーっと。

(大阪経済部 宗像藍子、加藤彰介)

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