瓦で発電 美観もエコも 積水ハウスのZEH(ここに技あり)
大阪市

2017/2/28 6:00
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 骨格が組み上がったばかりの木造住宅の屋根。計156枚、職人が敷き詰めているのは普通の瓦ではない。厚さこそ同じだが、戸建て住宅最大手の積水ハウスがメーカーに生産を委託した「瓦一体型太陽電池」だ。

瓦一体型の太陽光パネルを屋根に敷き詰める(大阪府枚方市)
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瓦一体型の太陽光パネルを屋根に敷き詰める(大阪府枚方市)

■06年に計画始動

 通常は瓦の上に太陽電池を置くと屋根に凸凹ができる。この「いかにも太陽電池を積んでいます」というスタイルが積水ハウスの美意識にそぐわなかった。瓦なのに太陽電池。瓦の代わりに敷く太陽電池とすれば、デザインに響かないと考えた。

 2016年1月期に積水ハウスの新築住宅に占めるゼロエネルギーハウス(ZEH)の割合は全体の71%になった。21年1月期には80%を目指す。確かなデータはないが、業界全体では2~3割とされる。積水ハウスの突出感は際立つ。

 ZEHの基本構造は太陽電池、燃料電池、省エネ設備の組み合わせ。他社にもできそうだが、違いは家造りの工夫にある。アルミ樹脂複合サッシやアルゴンガス封入複層ガラス。協力会社と連携して製品化したこれらの“武器”で開口部の断熱性を高めている。

 ZEHと積水ハウスの関係は長い。06年に「住宅のプリウスを作れ!」という掛け声で温暖化防止研究所を設立。環境対応住宅を形にしたのが09年だ。機能を高めて13年にZEH第1弾の「グリーンファーストゼロ」を投入。同年度に新規住宅の5割近くをZEH仕様にした。

■価格は3分の1に

 当初は「環境では売れない」と言われたが、時代は変わった。いまやZEHは中心選手。政府は20年までに新築戸建ての半数以上をZEH化する目標を掲げる。技術の普及で300万円ほどしていた燃料電池も100万円強に値下がりした。

 積水ハウスはマンションでもゼロエネルギーバージョンを開発。19年春には名古屋市に3階建ての物件を完成させる。

 「環境性能を高くしても全体のデザインを崩さない。家としての価値を高める」と環境推進部長を務める石田建一常務執行役員は強調する。凸凹がない太陽電池付き屋根はその代表例だ。環境機能の標準化がZEHの裾野を広げる。

文  大阪経済部 北西厚一

写真 淡嶋健人

〈カメラマンひとこと〉 きらりと輝く太陽光パネル――。そんなイメージで雲間から日が差し込む瞬間にカメラを構えたが、あまり光らない。担当者に聞いてみると、反射を抑えたガラスで瓦との一体感を生み出しているという。家のデザインと街の景観を損ねない工夫を実感した。

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