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大阪「総合区」、保育・道路など移管 市が素案公表
区長裁量予算3倍 窓口継続で利便性維持

2017/8/10 13:42
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 大阪市は10日、市を残したまま市内24区を8区に再編する「総合区」制度の素案を公表した。保育所の運営や道路管理などの事務を総合区に移管。既存の24区ごとの住民向け窓口業務は続け、市民目線での行政サービス提供を目指す。区長が自身の判断で使える予算を3倍近くとし、人事などの権限も強化。市職員を各区に振り分け、区の職員数を約2200人増やす。

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 素案は同日の市戦略会議で示した。大阪府・市の将来の都市制度を検討する法定協議会で8月下旬から議論を始め、市は今年度内にも最終的な制度案を固める。

 吉村洋文市長は戦略会議で「今の24区では体制が脆弱。住民に身近なところは総合区が決定できる体制にしていかないといけない」と述べた。

 素案によると、生活に密接に関わる行政サービスの一部を市の各局から区に移す。市立保育所の運営や民間保育所の設置認可、老人福祉センターの運営のほか、放置自転車対策や生活道路、公園の維持管理などが対象。区への移管で市と区の間の連絡調整の手間を省き、市民のニーズに迅速に対応するのが狙い。

 移行後も現行の24区は「地域自治区」として事務所を置き、住民票の交付や各種手当の申請など窓口サービスは続ける。府・市の共同部署である副首都推進局は「住民の利便性は維持される」としている。

 事務の拡大に合わせて予算や職員数も拡充。区長の判断で使える予算は24区全体で82億円だが、総合区では3倍近い226億円とする。区職員は現在の4800人から7千人に拡大するが、各局から配置転換されるため、市全体の職員数は変わらない。

 区長は市長が選び、市議会の承認を経て任命する特別職の公務員とし、権限を強化する。次年度予算について、区への配分のあり方を市長と直接協議できる仕組みをつくるほか、非常勤職員の採用や課長級より下の職員の昇任は、区長自らの判断でできるようにする。

 一方、総合区の名称は、制度導入を決めた後に住民の意見などを踏まえて議会で決める。住所表記は変わり、例えば「北区中之島」の場合、「○○区北中之島」といった形になるとしている。

「都構想」と比較検討へ 今秋、初期費用など

 総合区の実現は公明党が主張しているのに対し、大阪維新の会や大阪府・市は、市を廃止して「特別区」を導入する「大阪都構想」を第一に目指している。都構想の具体案は今秋にも法定協議会で示される見通しで、今後は総合区と併せ、双方のメリットとデメリットが検討される。

 市が10日公表した総合区制度の素案は、区に移す具体的な事務や予算規模などを示す一方、「総合区は市の組織変更による行政サービスの向上が主眼」(副首都推進局)との理由から、区の集約による経費削減効果は現時点では明示されなかった。

 経費の詳細や節約効果については、24区を4または6の特別区に再編する都構想でも明らかになっていない。2015年5月の住民投票で否決された前回の都構想の場合、府市は行政機能の統合により移行から17年間で約2600億円の再編効果があると試算していた。

 総合区の導入にあたっての初期費用は、システム改修や街区の表示板の変更で約65億円。システム管理費として、毎年9千万円が現在よりも増えるとしているが、現在の区役所の建物を総合区役所として使用することで出費が抑えられるという。一方、前回都構想で示された初期費用は新庁舎建設などに600億~680億円が必要としていた。

 松井一郎知事らは来秋に都構想の是非を問う住民投票を実施し、否決された場合は総合区に移行する考え。その場合、21年にも総合区制度が始まる。

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