FRB議長、米利上げ時期特定せず 雇用悪化に「失望」

2016/6/7 3:16 (2016/6/7 11:56更新)
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 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は6日、ペンシルベニア州で講演し、急減速した5月の米雇用統計について「失望している。景気見通しに新たな疑問が生じた」と述べ、月内の利上げ見送りを示唆した。同氏は6~7月の利上げを視野に入れていたが、政策方針は「緩やかに利上げしていく」と述べるにとどめ、利上げ時期を特定するのも見送った。

 イエレン氏は5月下旬の講演で「経済成長が見込み通り続けば、今後数カ月内の利上げが適切だ」と述べ、14~15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)か7月下旬の会合で利上げする考えを示唆していた。今月3日発表の米雇用統計が極めて低調な結果に終わったため、市場参加者はイエレン氏の利上げ見通しがどう変化するか注目していた。

 イエレン氏は6日の講演で「物価と雇用の安定を確実にするため、政策金利の緩やかな引き上げが必要だ」と利上げ路線を堅持する考えを示した。ただ、雇用統計の悪化に「失望した」と述べ、前回講演のように利上げ時期を特定するのを控えた。英国で23日に予定する欧州連合(EU)離脱を巡る国民投票も「経済に重大な影響を与える可能性がある」と不安視し、月内の利上げ見送りを示唆した。

 米景気については、個人消費が上向く傾向にあると指摘し「経済は拡大を続ける」と、先行きの底堅さに自信を示した。雇用情勢も「全体でみれば非常に前向きで、単月の指標を重要視しすぎてはいけない」とも述べ、幅広いデータを丹念に見極める考えを強調した。

 6日には地区連銀総裁らFRB高官も相次いで発言し、月内の利上げに慎重姿勢をみせた。

 ボストン連銀のローゼングレン総裁はフィンランド・ヘルシンキで講演し「米雇用統計の悪化に失望した」と懸念を示した。同氏は5月時点では「利上げの条件は整いつつある」と指摘し、月内の利上げを視野に入れていた。セントルイス連銀のブラード総裁も米紙のインタビューで、月内の利上げの可能性が減退したと問われ「妥当な見方だ」と答えた。

 ブラード氏は7月の利上げについて「可能性がある」と述べるなど、FRB内には大幅な利上げの先送りは避けたい意向がある。米国は11月に大統領選を控えており、論戦の的となる金融政策は動かしにくくなるためだ。7月初旬に公表する6月の雇用統計が大幅に改善すれば、再びFRB内の利上げ機運が高まる可能性もある。

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