トランプ氏、パリ協定離脱を正式表明「米国に不利益」

2017/6/2 4:47 (2017/6/2 10:18更新)
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 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は1日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると発表した。パリ協定は「非常に不公平だ」として「米国に不利益をもたらし、他国の利益となる」などと非難し、公約実現を正当化した。195カ国が署名した同協定から、世界第2位の二酸化炭素(CO2)排出国である米国が抜ければ、地球的課題の温暖化対策には大きな打撃となる。

 トランプ氏は「(温暖化ガス削減の)国別目標の履行や、緑の気候基金(への拠出)を中止する」と表明した。オバマ前政権は温暖化ガスを「2025年までに05年比で26~28%削減する」との国別目標を表明し、途上国の温暖化対策を支援する緑の気候基金に30億ドル(約3300億円)の拠出を約束したが、いずれも白紙に戻した。

 トランプ氏は米国民の税金が海外に流れていると指摘したうえで「もう他国の笑いものになりたくはない」と強調。逆に主要排出国の中国やインドは恩恵を受けてきたと批判した。

 トランプ氏は先月末の主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)など欧州の各国首脳から協定にとどまるよう説得されたが、これに応じず米国第一の主張を貫いた形だ。同氏はドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、英国のメイ首相らと相次いで電話協議し、パリ協定からの離脱決定を伝えた。首脳らは「遺憾の意」を示した。

 トランプ氏は声明で離脱への意欲を示す一方で「再交渉を始めて公正な協定を結びたい」とも提案した。「米国と納税者を守る新協定」ができれば復帰する考えも示したが、具体的な条件は明らかにしなかった。

 メルケル首相を含む独仏伊の3首脳は1日、即座に連名で声明を発表し、「パリ協定は再交渉できない」とトランプ氏の提案を拒んだ。協定に署名した194カ国との再交渉は現実的でなく、実現を疑う声は多い。

 パリ協定の規定では、離脱が可能になるのは発効から4年後の20年11月となる。温暖化ガスの排出量で見ても世界2位の米国が離脱すれば、国際協調の機運に悪影響が出るのは避けられない。基金への拠出を中止したことで途上国に波紋を広げる恐れもある。

 温暖化対策は世界全体が直面する共通課題として、日米欧などが1990年代から途上国を交えて時間をかけて合意をつくり上げてきた。現在のパリ協定は一律に削減目標を定めるのでなく、各国が目標設定と削減実行を継続的に進める仕組みだ。世界最大の経済大国である米国が「自国第一」を理由に同協定から抜ければ、排出削減の取り組みだけでなく世界的な政策協調の枠組みにも影を落とす恐れがある。

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