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パキスタン首相罷免 「パナマ文書」が発端、税逃れ疑惑で

2017/7/28 20:15
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 【ニューデリー=黒沼勇史】パキスタン最高裁は28日、税逃れ疑惑で訴追されていた同国のナワズ・シャリフ首相に「不適格」との判断を下し罷免した。与党報道官も「首相は失職した」とし、判決に従う意向を示した。各国の富裕層らの税逃れを昨年暴露した「パナマ文書」問題を発端に野党が提訴し、首相が退任に追い込まれる異常事態に発展している。

 最高裁大法廷の判事全5人が不適格判断で一致し、公職関係者の汚職を裁く説明責任法廷で、首相と親族の疑惑を審理するよう命じた。ムハンマド・イスハク・ダール財務相も罷免された。与党のパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)は近く後継首相を公表する見通し。サルダール・アヤズ・サディク国会議長らの名が挙がっている。

 シャリフ氏に税逃れ疑惑がかかったのは、パナマの法律事務所から流出した「パナマ文書」が発端だった。この文書は各国富裕層らによるタックスヘイブン(租税回避地)などを使った節税実態を暴露。シャリフ氏に関しては、政府に届け出た資産とは別に英領バージン諸島に法人を設け、ロンドンに不動産を保有しているとしていた。

 野党「パキスタン正義運動(PTI)」などの申し立てを受け、最高裁は4月、連邦捜査局や中央銀行からなる合同捜査チームを設けて60日以内に調べるよう命じていた。最高裁は今回、選挙管理委員会にシャリフ氏の議員資格失効も命じた。

 与党報道官は28日、同氏の首相職の失効を認める一方で「公正な判決に関するすべての法的、憲法上の要件がひどく踏みにじられた」と指摘し、今回の判決を批判した。ただ、来年には次期総選挙が控えている。シャリフ氏が首相職に固執すれば、与党PML―Nからの民意離反につながるとの政治的判断もあって、最高裁への徹底抗戦を封印したとみられる。

 同国経済は中国が資金支援する「中パ経済回廊」などインフラ事業が追い風となり5%台の成長率を保つ。前回の第2次シャリフ政権は1999年の軍事クーデターで崩壊したが、現時点では、今回の罷免で政情不安などに陥る可能性は低いとの見方が多い。

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