米ツイッター混乱、中核幹部一斉離職 構造改革に大なた

2016/1/26 23:00
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 【シリコンバレー=兼松雄一郎】米ツイッターで中核幹部が大量に離職することが25日明らかになった。開発部門などの事業トップ4人全員が退職。経営体制が様変わりする異例の事態となった。利用者の成長鈍化に直面するツイッターは昨年10月に創業者が経営トップに復帰。リストラやサービスの見直しなど構造改革で大なたを振るっている。今回の大量離職もその一環とみられる。

 離職するのは、日本などへの海外展開を指揮したメディア提携担当のケイティ・スタントン副社長と、技術開発、製品開発、人事担当の各幹部の4人。ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は25日、「偉大な4人の貢献に感謝する」とツイッターで投稿した。

 アダム・ベイン最高執行責任者(COO)が暫定的に製品開発、メディア向け営業、人事を統括し、古参幹部のアダム・メッシンガー最高技術責任者(CTO)が技術開発を担当する。ひとまずドーシー氏を含む3人に権限を集中させる。

 ツイッターの広告戦略は、競合の米フェイスブックに比べ、メディアや大手企業など、少数の大口顧客に力を入れてきた。1広告当たりの利益率は高いものの、広告主の裾野が狭い。このため、収益構造はなかなか安定せず、赤字経営が続いている。

 サービス上で追加した様々な機能も使われていないものが多く、利用者離れにつながった。4年前には前年同期比で倍々ゲームだった利用者の伸びは、いまや1桁台の増加率に低下した。前四半期比で見ると、昨年7~9月期までの2期連続で伸びが1%前後にとどまり、成長がほぼ止まった状態だ。

 ドーシー氏はツイッターの創業者の一人で、サービスの考案者として知られる。移り気で組織をうまく管理できず、同社を追われた。その後、CEOを務める米決済ベンチャーのスクエアで事業を軌道に乗せるなど起業家の才能を発揮。ツイッターは苦境の打開に向け、再びドーシー氏に白羽の矢を立てた。

 就任後すぐに同氏は社員全体の約8%に当たる最大336人の削減を決めた。リストラを続ける一方で、サービスの改善に着手。ツイッターの象徴だった140字の文字制限を撤廃する方向で検討を始めた。使い勝手のいいサービスの開発に集中し、長期的に広告収入の裾野を広げる狙いだ。

 その布石として昨年10月には、米グーグルで強固な広告基盤を築き上げたオミド・コーデスタニ氏を執行役会長に招いた。また、所有するツイッター株の3分の1に相当する同社株全体の1%の株式を社員に譲渡し、奮起を促している。

 シリコンバレーでは、創業者のスティーブ・ジョブズ氏が復帰した米アップルが復活を遂げたが、こうした事例は極めて少ない。一度勢いを失った企業の多くは再生できず、ヒューレット・パッカード(HP)や米ヤフーなども苦戦が続く。最近ではツイッター子会社で6秒動画投稿サイト、ヴァインでも幹部がグーグルに転職するなど、社員が流出している。

 幹部の大量離職が伝わった25日の米株式市場ではツイッターの株価が大幅に下落。前日終値比で4.6%安い17.02ドルとなった。ドーシー氏が暫定CEOに就任してからツイッターの株価は約5割下がった。米スクエアの経営を掛け持ちするドーシー氏の構造改革でツイッターが復活するか、まだ見通せない。

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