TPP、7月合意へ時間との勝負 米貿易権限法案成立へ

2015/6/25付
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 【ワシントン=矢沢俊樹】米議会上院は24日の本会議で、環太平洋経済連携協定(TPP)の合意に不可欠な大統領貿易促進権限(TPA)法案を賛成多数で再可決した。下院はすでに再可決した。週内にもオバマ米大統領が法案に署名し、成立する。TPP妥結に向け最大の障害だった米議会のTPA問題が取り除かれることで、TPP関係国は7月下旬にも閣僚会合を開催し大筋合意をめざす。

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 TPAが復活するのはブッシュ政権下の2007年6月末に失効して以来、約8年ぶり。TPA決着を受け、日本と米国は難航しているコメや自動車市場開放策を巡る2国間協議の決着へ最終の詰めを急ぐ。TPAの下でオバマ氏に強力な通商交渉の権限が委ねられることで、TPPに追い風になるのは確実だ。

 ただ、12カ国による全体交渉でも知的財産権保護や農業関税の扱いなど困難な問題が積み残されている。最短の「7月合意」シナリオは時間との勝負になりそうだ。

 安倍晋三首相は25日午前、首相官邸で記者団の質問に答え、TPA法案可決について「大きな前進で歓迎したい。米国と共にリーダーシップを発揮して早期の妥結を目指す」と述べた。甘利明経済財政・再生相はTPP交渉参加12カ国の閣僚会合に関して「それぞれの国の事情を考えると、7月いっぱいがタイムリミットだと捉えている」と言明。TPPの条約案の国会承認などについては「できるだけ(今秋の)臨時国会に間に合えばいいと思う」と語った。

 24日の米上院(議席数100)でのTPA法案の再採決は60対38の賛成多数。可決に必要な過半数に達した。TPAに続いて、貿易で失業した労働者に対する公的財政支援措置を盛り込んだ貿易調整援助(TAA)法案の採決に移り、これも上院を通過した。

 貿易調整援助法案は下院に送られ、下院は25日にも再採決する見込みだ。下院の与党・民主党は、6月12日の採決でTPAを阻止する狙いから貿易調整援助法案を否決していた。

 今回の採決にあたって下院民主トップのペロシ院内総務らは同法案を支持する意向を示しており、順当に可決される見込みだ。TPA法案の成立を確実にするため、民主が支持するTPAとほぼ同時に援助法案もホワイトハウスに送り込むことで与野党が折り合った。

 TPAは最長21年7月までの6年間にわたり、本来は議会が持つ通商交渉権限を大統領に一任する仕組みだ。TPPなどの批准案がまとまれば、議会側は一定の審議時間がたった段階で一括して承認するか、否決するか採決しなければならない。米議会が協定合意後に内容を修正する懸念を小さくできるため、TPPの交渉相手国との話し合いが進みやすくなる。

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