ミャンマー政府が国際会議参加へ 「ロヒンギャ」難民問題

2015/5/24付
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 【ヤンゴン=松井基一】29日にバンコクで開かれるミャンマーの少数民族「ロヒンギャ」の難民問題を議論する国際会議に、ミャンマー政府が代表を送ることがわかった。国際社会がミャンマーによるロヒンギャへの弾圧に批判を強めていることに反発し、同国政府は当初、会議への参加に否定的だった。国際社会に歩み寄る姿勢を示すが、米国などが求めるロヒンギャへの市民権付与に応じる気配はない。

 24日付のミャンマー国営紙が報じた。29日の国際会議はタイ政府が主催する。タイ国内で今月、ロヒンギャ難民の遺体が多数発見されたことを受け、プラユット暫定首相が関係国に開催を呼びかけた。ミャンマー、タイ、マレーシアなど15カ国が参加する予定で、ミャンマーは「外務副大臣級の派遣を検討中」(政府関係者)としている。

 ミャンマー政府はこれまで難民の大量発生は「人身売買組織の犯罪が原因」と主張してきた。国際会議についても「ミャンマーに責任を押しつけるもの」として不参加の意向を示していた。

 ロヒンギャはミャンマー西部ラカイン州のイスラム教徒。政府はロヒンギャをバングラデシュからの不法移民とみなし、郊外の難民キャンプに隔離している。市民権も認めていない。生活苦から国外に脱出するロヒンギャが後を絶たず、今月だけでマレーシア、インドネシアなどに約3千人が漂着した。さらに数千人が海上を漂流しているとの情報もある。

 ミャンマーが態度を軟化させた背景には国際社会の圧力がある。21日にミャンマーを訪問した米国のブリンケン国務副長官は首都ネピドーでテイン・セイン大統領と会談し、ロヒンギャの生活状況の改善を要望した。その後の記者会見で「ロヒンギャに市民権を付与すべきだ」とも述べた。これまで難民の接岸を拒否していたマレーシア、インドネシアも20日に一時受け入れで合意し、ミャンマーに問題解決への努力を促している。

 ミャンマー側は対応に苦慮している。民主化後、ミャンマーにはバングラデシュから大量のイスラム教徒が流入した。人口の9割を占める多数派の仏教徒は危機感を強め、イスラム排斥運動が力を増す。市民権付与などでロヒンギャへの融和姿勢を打ち出せば、宗教対立が激化しかねない。

 ミャンマー国内でロヒンギャが差別される状況が変わらなければ、難民問題の解決はおぼつかない。一方、過度に圧力をかければミャンマー政府が態度を硬化させ、対話を拒む可能性が高い。国際社会も難しい対応を迫られる。

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