仏自動車PSAが買収攻勢 CEO「オペル加え欧州王者」

2017/2/23 23:58
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 【パリ=竹内康雄】フランスの自動車大手グループPSA(旧プジョーシトロエングループ)のカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は23日の2016年決算記者会見で、米ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州子会社、独オペル買収案について「自動車の欧州チャンピオンをつくる機会だ」と述べ、実現に意欲を示した。好業績を背景にマレーシアのプロトン・ホールディングスなど買収攻勢に打って出る構えを鮮明にした。

23日、パリ市内の本社で記者会見するグループPSAのタバレスCEO
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23日、パリ市内の本社で記者会見するグループPSAのタバレスCEO

 16年決算は最終利益が21億ユーロ(約2500億円)と前年比79%増えた。本業の自動車部門の営業利益は19%増の22億ユーロで営業利益率は6%に改善した。売上高は1%減の540億ユーロ。販売台数は315万台だった。

 同社は12年に経営難に陥り、8千人の人員削減と仏工場の閉鎖を決定。14年まで3年連続の赤字に陥っていた。同年CEOに就任したタバレス氏は車種削減などのリストラを進め、15年に黒字転換を達成し、16年も好業績に導いた。

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 タバレス氏は23日、「健全な財務状態に戻った」と語り、反転攻勢に出る考えを強くにじませた。欧州で年間約100万台を売るオペル買収計画では「オペルが抱える問題は、PSAが直面してきた課題に似ている」と述べ、PSAの経験を生かせると主張した。

 オペルを傘下に入れる利点として「仏独のブランドを持つことで顧客の要望に応えられる」と説明。PSAは仏伊スペインに強く、オペルは英独での存在感があり、補完関係にあるという。欧州2位の地位を確実にし、収益力の強化を狙う。

 ただ、オペル買収観測が広がると、英独政府からはリストラを懸念する声が高まった。オペルはかねて合理化が必要とされているためだ。

 タバレス氏はメルケル独首相とメイ英首相に、当面は人員削減や工場閉鎖はしないと約束し、理解を得た。買収実現の環境は整いつつあるが、生産設備や人員が過剰になるのは避けられず、業績の重荷になる懸念がある。

 「4月には答えが分かる」。タバレス氏はマレーシアのプロトン買収の成算を問われ、こう答えた。PSAの課題には欧州依存がある。16年の欧州販売は全体の6割超。ライバルの仏ルノーは5割台、独フォルクスワーゲン(VW)は4割台だ。欧州の販売比率が高いと経済危機などがあった場合に業績の変動が大きくなりやすい。オペル買収が実現すれば欧州比率はさらに高まるため、グローバル展開が急務だ。

 タバレス氏は進出していない空白地帯に既に布石を打ちつつある。イランでは17年に、モロッコでは19年に生産を始める計画を進める。加えて大きな成長が見込めるアジア市場を重視し、インドでは現地企業と合弁で20年にも生産を始める計画だ。プロトン買収では、PSAに出資する中国の東風汽車と協力して東南アジア市場開拓につなげる構えだ。

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