欧州委員長、ギリシャ支援「週内合意を確信」

2015/6/23付
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 【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は22日、緊急のユーロ圏首脳会議をブリュッセルで開き、ギリシャへの金融支援の継続を巡って週内合意を目指すことで一致した。ただ支援継続の見返りにギリシャが実行する財政改革案については、さらに協議が必要だと判断。ユーロ圏首脳はユーロ圏財務相会合に対し、「遅くとも24日夜(日本時間25日未明)までに合意」(EUのトゥスク大統領)できるように、交渉加速を指示した。

 「週内合意を確信している」。会議後に記者会見したユンケル欧州委員長は力を込めた。24日にユーロ圏財務相会合を開いてギリシャ支援で大筋合意し、25日のEU首脳会議で6月末の金融支援の期限延長などの正式合意にこぎ着けたい考えだ。

 ギリシャ支援を巡っては、財政の健全化を求めるEUなど債権団と「反緊縮」を掲げるギリシャのチプラス政権が対立し、支援が事実上“凍結”状態となっている。資金難のギリシャは6月末以降、国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)への多額の返済を控える。このまま6月末に現行の金融支援が期限切れとなれば、資金難のギリシャがいずれ財政破綻に陥る懸念が高まっていた。

 ギリシャ側は今回の首脳会議直前になって姿勢を軟化させ、新たな財政改革案を提示した。これまでEU側の求めに対して「譲れない一線」としてきた年金改革や日本の消費税に当たる付加価値税の増税にも踏み込む姿勢をみせた。

 欧州メディアによると年金では、現行では平均ケースで男性63歳、女性59歳の支給開始年齢を、67歳まで段階的に引き上げることを明記。付加価値税では、EU側が求めてきた電気料金の税率上げは見送ったものの、離島に適用する軽減税率の撤廃などを盛り込んだ。国の規模に比べて過大だとEU側が問題視していた軍事費の削減にも手をつけた。

 「ギリシャの新たな提案は前向きな一歩だ」。EUのトゥスク大統領は会議後の記者会見で、ギリシャの新たな財政改革案を評価してみせた。ギリシャのチプラス首相は会議後、記者団に「我々の提案は債権団との議論の土台として受け入れられた」と笑顔で語りながら会場を去った。

 ただギリシャの新提案の中身を慎重に議論すべきだとの議論も根強い。ユーロ圏首脳の中で強い発言力を持つメルケル独首相はギリシャ提案を「さらなる協議に向けた良いスタート地点」と評価しつつ、最終合意へは「非常に集中した作業が必要だ」とも指摘した。

 債権団の一員として首脳会議に同席したIMFのラガルド専務理事も「(24日夜まで)残り48時間でやらなければならないことがたくさんある」と強調。改めてギリシャへの厳しい姿勢をにじませた。

 首脳会議が設けた24日夜までの“48時間”で、もくろみ通り合意へこぎ着けられるかどうか。1月のチプラス政権発足から約5カ月に及んで迷走してきた交渉はいよいよ大詰めを迎えた。

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