トランプ氏、TPP「大統領就任初日に離脱通告」

2016/11/22 10:48
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 【ワシントン=平野麻理子】トランプ次期米大統領は21日、オバマ政権が推進した環太平洋経済連携協定(TPP)について、就任初日に「離脱を(他の参加国に)通告する」と明言した。トランプ氏は選挙戦中から「雇用を奪う」などの理由でTPPに反対してきた。日本とともに交渉を先導してきた米国の次期大統領が正式に離脱を表明し、世界最大規模の通商協定の実現は一段と不透明になった。

 トランプ氏は21日にインターネット動画を公開し、就任初日に指示する改革や就任後100日間に取り組む政策課題について説明した。

 就任初日から取り組む施策として、TPPの離脱通告を挙げた。TPPを「我が国をぶち壊す可能性がある」と批判。その上で「代わりに、米国に仕事と産業を取り戻す公平な2国間の通商交渉にあたる」と述べた。日米自由貿易協定(FTA)など2国間での通商協定を目指す可能性を示唆したとみられる。

 選挙期間中に同じく通商分野で見直しを主張していた北米自由貿易協定(NAFTA)については、21日の動画では言及しなかった。トランプ氏は保護貿易主義に傾いており、NAFTAも先行きは見通せない。

 TPPを巡っては、トランプ氏は選挙戦中から、勝利した場合、就任当日にTPPから離脱すると述べていた。

 これに対してオバマ大統領が20日に「TPPを断念すれば、アジア太平洋地域での米国の地位は低下する」と強い懸念を示すなど、トランプ氏に翻意を働きかけてきた。実際、中国はアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想を掲げ、新たな貿易ルール作りの主導権を握ろうと動き出している。

 トランプ氏はこのところ次期政権の人選に多くの時間を割いており、TPPなど政策への言及はほとんどなかった。この間TPPに前向きとされる投資家ウィルバー・ロス氏と会談し、商務長官起用を検討していると報じられるなど、政策転換への期待も高まっていた。

 日本政府もトランプ氏の政策転換に期待し、17日には安倍晋三首相がニューヨークでトランプ氏と会談した。他の参加国のつなぎとめに注力してきたが、今回の宣言を受けて、TPPは漂流する可能性が高くなった。

 動画ではTPP離脱を掲げた「通商」のほか、「エネルギー」「規制」「国防」「移民」「政治倫理改革」を優先的に取り組む課題にあげた。エネルギーでは、シェールガスや石炭に対する規制を撤廃し、「数百万の高収入な仕事を作り出す」と説明した。

 さらにインフラへのサイバー攻撃に対する防衛体制の強化や、米国人の雇用を奪う可能性のあるビザ悪用の調査などを優先課題に位置づけた。動画の最後には「これらはワシントンを改革し、中間層を再建するために取る行動のごく一部にすぎない」と強調した。

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