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米、鉄鋼で対中圧力も 「100日計画」合意内容公表へ

2017/7/16 22:53
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 【北京=原田逸策、ワシントン=永沢毅】米国と中国による経済協力案件を並べる「100日計画」が16日、策定の期限を迎えた。両国は19日には包括経済対話を初めて開き、100日計画の合意内容を公表する。北朝鮮の核・ミサイル問題で米中関係はきしみ始めており、対話も米国が鉄鋼の過剰生産などで中国に圧力をかけ、中国がかわす展開になりそうだ。米中関係は経済も視界不良になりつつある。

会談するトランプ米大統領(左手前)と中国の習近平国家主席(右手前)(8日、ドイツ・ハンブルク)=AP

 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は4月の首脳会談で100日計画の策定に合意。会談から100日目の今月16日前後が期限となった。

 米中は5月、100日計画のうち先行して合意した内容を公表した。柱は中国がBSE(牛海綿状脳症)問題で止めた米国産牛肉の輸入を再開し、米国は中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」に協力すること。「合意は『米中が貿易戦争を始める』との見方も変えた」(中国商務省幹部)とみられた。

 当時の米中関係は良好。中国の協力で北朝鮮問題が進展すれば、貿易不均衡など経済問題は大目にみるというのがトランプ米政権の方針だったからだ。その方針の期限は100日計画と同じだったとされ、米側は「中国は時間があまりないと理解している」(ソーントン米国務次官補代行)と中国による北朝鮮への影響力行使を期待した。

 だが、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射成功を誇示し、米本土が核攻撃の対象になる懸念が生じた。それにもかかわらず、中国はあくまで対話による解決を主張し、原油禁輸など強力な制裁に慎重。「彼には北朝鮮問題で支援を求めてきた。恐らくもっとできる」。トランプ氏は13日、習氏への不満を隠さなかった。つかの間の「米中蜜月」は終わり、今回の経済対話で「米国は厳しい姿勢を示すことになる」(米中外交筋)。

 対話の焦点は中国による鉄鋼の過剰生産。5月の合意では「双方が努力する」と具体的な内容の詰めを先送りした。中国製鋼材の対米輸出は16年に120万トン弱とピーク時の3分の1まで減ったが、米国は「第三国を経由して米国に流れ込んでいる」とみる。トランプ氏は関税上げと販売量制限による鉄鋼輸入制限を検討中だが、中国は反発しそうで対話でも激しいやり取りが予想される。

 中国は目標を上回るペースで過剰な鉄鋼生産能力を減らしたと説明する見通し。だが、どこの高炉を閉じたか詳しい情報を明かさないため「休止していた高炉を廃棄しただけではないか」との疑念が消えない。中国のアルミニウムの過剰生産も論点になりそうだ。

 今回の対話は100日計画を決めるとともに、後継の「1年計画」をつくることでも一致するとみられる。中国側にすれば1年間の時間稼ぎができることを意味し、秋の共産党大会前に米国から構造改革や市場開放を厳しく迫られるリスクが減る。100日計画も中国側が提案したとされ、「計画策定中」を盾に米国の要求をかわす中国側の狙いが透けてみえる。

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