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北朝鮮が弾道ミサイル 新型か 高度2000キロ超、日本海に落下

2017/5/14 22:34
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 【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮は14日午前5時28分ごろ、平安北道亀城(クソン)付近から東北東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年7回目。日本政府によると、飛行距離は約800キロメートル、高度は2千キロメートルを超えており、新型ミサイルの可能性がある。トランプ米大統領や韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が環境が整えば対話に応じる意向を示すなど、緊張緩和の糸口を探るなかでの挑発行為に、関係国は再び警戒感を強めている。

 菅義偉官房長官は14日朝、首相官邸で緊急記者会見を開き、「ミサイルは30分程度飛行して日本海に落下したとみられる」と述べた。ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)の外側のロシア領近くに落下したもようだ。

 政府は同日午前、国家安全保障会議(NSC)の閣僚会合を開催した。安倍晋三首相は「北朝鮮に強く自制を求め、毅然と対応する」と指示した。稲田朋美防衛相は「新型の弾道ミサイルだった可能性がある」と表明。発射角度を高くしてミサイルの落下速度を上げ、迎撃を難しくする「ロフテッド軌道」で発射された可能性も指摘した。

 以前より高度・飛距離ともに伸びており、北朝鮮がめざす大陸間弾道ミサイル(ICBM)の技術開発が前進しているとの見方もある。ただ、米太平洋軍は「ICBMの軌道ではない」との見解を発表。日本政府関係者は14日、弾道ミサイルが中距離弾道ミサイル「ムスダン」の改良型ではないかとの見方を示した。

 関係国は対応に追われた。米ホワイトハウスは13日発表の声明で「この挑発行為を、全ての国により強力な対北朝鮮制裁の履行を促す契機としよう」と呼びかけた。「北朝鮮はずっと悪い立ち振る舞いを続けている。韓国、日本とともに状況を注視している」と強調。マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)が14日、日本の谷内正太郎国家安全保障局長、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長と相次ぎ電話協議した。

 韓国では就任したばかりの文大統領が朝8時にNSCを緊急招集。「国連安保理決議の明白な違反であるだけでなく、朝鮮半島はもちろん、国際平和と安全に対する深刻な挑戦行為」とミサイル発射を強く非難した。

 中国では同日、北京で習近平国家主席が主導する広域経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際会議が開幕を迎え、ロシアのプーチン大統領との首脳会談も予定されていた。中国は北朝鮮の挑発行為にメンツをつぶされた格好で、中国外務省の華春瑩副報道局長は14日、「国連安全保障理事会決議違反のミサイル発射に反対する」との批判談話を発表した。

 北朝鮮を巡っては、日米韓が連携して核・ミサイル開発をやめるよう圧力を強める一方、トランプ氏が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との直接対話に応じる可能性を示唆するなど、対話を探る動きも出てきていた。今回のミサイル発射は緊張緩和に向けた機運醸成に水を差すもので、北朝鮮が核・ミサイル開発を継続する方針に変わりがないことを改めて示した。

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