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中国軍の活動活発に 空母が台湾一周、米次期政権けん制

2017/1/11 21:19
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 【北京=永井央紀】中国軍の空母「遼寧」が11日、中国大陸と台湾の間の台湾海峡を北に向かって航行した。遼寧は昨年12月に台湾沖の西太平洋を南下して南シナ海に入っており、台湾を巻き込む形で一周した。中国軍は日本周辺でも対馬海峡を過去最多の軍用機が通過するなど活動が活発化。トランプ次期米大統領の対中政策をけん制する狙いとみられる。

 台湾の国防部(国防省)が台湾海峡の中間線の西側を航行する遼寧を確認した。北上を続けて中国山東省・青島の基地に戻るとみられる。遼寧は3年前に南シナ海に入った際は、往復とも台湾海峡を通過した。台湾を一周する形の航路を取ったのは初めてだ。

 中国共産党機関紙「人民日報」は8日付で「空母は“引きこもり”ではない。いずれ必ず(小笠原諸島からサイパン、グアムをつなぐ)第2列島線を越えて東太平洋に出る」と強調。中国大陸から離れた海域での展開にも意欲を示した。

 日本周辺では中国の爆撃機など8機が9日、東シナ海と日本海をつなぐ対馬海峡を往復する訓練を実施した。対馬海峡では過去にも中国軍機が確認されているが、8機は過去最多とみられる。翌10日には海軍艦船の3隻も対馬海峡を通過して東シナ海へ向かった。

 中国軍や国防省は「年度計画に基づく訓練だ」との主張を繰り返すが、トランプ氏の就任を控える時期の活発な活動は米国や日本、台湾へのけん制との見方が多い。中国は独立志向である民進党の蔡英文総統の出方を注視しており、トランプ氏や安倍晋三首相との接近に警戒がある。中米を訪問中の蔡氏は往路で米国に立ち寄って共和党の上院議員らと会談。中国は反発したが、帰路もサンフランシスコに寄る予定だ。

 中国では軍事力では米国との実力差が大きいとの認識があり、当面は真正面からの対立は避けたいという本音もにじむ。1月上旬に米西海岸を出航した米原子力空母カール・ビンソンは20日ごろに西太平洋に入り、その後は南シナ海へ向かう見通しだが、遼寧は米空母とのニアミスを避けるように早々に引き揚げた。11日に台湾海峡を通過する際も、台湾や米国を強く刺激する台湾寄りの海域を航行するのは避けた。

 中国政府は11日に「中国のアジア太平洋安全保障協力政策」と題した白書を初めて発表した。「中国の領土主権や海洋権益に対する侵犯には必要な対応をせざるを得ない」と強調しつつ「次期米政権とは衝突や対抗をしない原則を維持して関係を進展させたい」との期待も表明した。

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