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米、親台姿勢で足並み 共和クルーズ氏が蔡総統と会談

2017/1/9 23:42
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 【ワシントン=吉野直也】台湾の蔡英文総統は8日、米テキサス州ヒューストンで同州選出のクルーズ上院議員(共和党)と会談し、米国から台湾への武器売却や経済協力を話し合った。クルーズ氏は中国が会談を妨害しようとしたと批判した。中台問題でトランプ次期大統領に続き与党共和党の有力者も台湾寄りの姿勢を見せ、米次期政権の対中強硬色がより強まる可能性が出てきた。

 クルーズ氏は米大統領選の共和党予備選でトランプ氏と最後まで争った有力議員。同氏は蔡氏との会談後、中国が同州の議員らに蔡氏と面会しないよう求める書簡を送ってきたと説明。中国の妨害工作を非難した。

 同氏は声明で「米国を訪れた人との面会について決めるのはわれわれ自身だと中国は理解する必要がある」と指摘。「中国側が誰と会うか、米側にも拒否権は与えられていない」とも力説した。

 声明では米国と台湾の関係を「2国家」と表現し、中国と台湾が一つの中国に属するという「一つの中国」政策を無視した。「蔡氏と共にパートナーシップの強化に取り組みたい」とも訴えた。中国が今回の会談に反発し、台湾側に圧力を掛ける恐れもある。

 米台関係ではトランプ氏が大統領選勝利後の昨年12月に蔡氏と電話協議し、内容を明らかにした。1979年の米台の断交以降、大統領や次期大統領と台湾総統のやり取りが判明するのは初めてだった。トランプ氏は中国がこの協議に抗議したことに「南シナ海の巨大な要塞建設の了承を求めたのか」と断じた。

 蔡氏の訪米に伴う、中国の根回しは共和党議員の不快感を誘発しただけだった。トランプ氏は新政権で外交・安全保障と経済政策の両面で対中強硬派を起用する。元軍人のマティス次期国防長官やライトハイザー米次期通商代表部(USTR)代表らだ。トランプ氏と蔡氏の電話協議は共和党主流派も関与しており、トランプ氏の対中強硬路線は党と一体で進められる展開もあり得る。

 中国の国際法を無視した南シナ海などでの海洋進出で、オバマ政権の対中外交は「弱腰」のレッテルを貼られ共和党が攻撃材料にした。

 蔡氏は7日、外交関係のある中米4カ国を訪れるため、経由地ヒューストンに立ち寄った。8日はクルーズ氏のほか、テキサス州のアボット知事(共和)と面会した。台湾メディアによると、共和党重鎮のマケイン上院議員も電話で協議した。

 蔡氏は中米歴訪後、13日に再び米サンフランシスコに移動し、14日に帰途に就く。訪米中にトランプ氏側との接触も噂される。中国側の面会拒否要求は、自由や民主主義を掲げる米側の態度を硬化させた。

 一方でトランプ氏らが親台湾の姿勢をとっているのは中国からの投資を呼び込むための駆け引きに使っている側面もある。米台が今後も中国の反対をよそに接近を続けるかは分からない。

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