米、シリアに巡航ミサイル アサド政権軍基地に
59発、地中海の米軍艦船から

2017/4/7 10:51
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 【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は6日、サリンなどの化学兵器を使用したとみられるシリアに対し、米軍に攻撃を命じたと発表した。米軍によると米東部時間6日午後8時40分(現地時間7日午前4時40分)、地中海の米海軍艦船からシリアの空軍基地に59発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。アサド政権に対し米が実施した初の攻撃となる。アサド政権を支援するロシアとの対立は必至だ。

 トランプ氏はフロリダ州で声明を読み上げ「今夜、私はシリアの空港を目標とする空爆を命じた」と述べた。「致死的な化学兵器の使用防止は米国の国家安全保障の重大な利益だ」と強調。シリアでの殺りくや流血を止めるため、米国と協力するよう「すべての文明国家に要請する」と訴えた。

 米軍によると、攻撃対象はアサド政権が空爆に使用したとされるシリア西部の軍用飛行場や航空機、倉庫、防空システム、レーダーなど。米軍は攻撃結果について、シリア航空機や空軍基地、支援施設を破壊し、アサド政権の化学兵器使用能力の弱体化に成功したとしている。

 空爆は事前にロシアに通告した。このほか中東には米空母ジョージ・ブッシュが展開しているほか、シリア国内に過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦への助言のため数百人の米軍要員が駐留している。

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 これに先立ちトランプ氏は6日、中国の習近平国家主席との首脳会談のため南部フロリダ州に向かう機内で、記者団に対し「何らかの措置が必要だ」と述べたが、具体策は明らかにしていなかった。マティス国防長官とマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ティラーソン国務長官らが6日午前、シリアへの対応策について協議した。

 ティラーソン氏は6日、軍事行動について「化学兵器攻撃に適切な対応を検討している」と指摘。「これは深刻な問題であり、深刻な対応が求められる」と記者団に語った。ティラーソン氏は3月末にアサド氏の将来は「シリア国民が決める」と関与しない意向を示していたが、今回はアサド氏退陣に向けた「措置が進行中だ」と述べた。

 トランプ氏は5日の記者会見で、化学兵器とみられる空爆について「いくつもの一線を越えた」と指摘。「シリアとアサド氏への私の考え方は大きく変わった」と述べ、シリア政策を転換する意向を表明していた。

 オバマ前大統領は2013年、アサド政権が化学兵器を使用したとして「一線を越えた」と軍事介入を予告したが、議会の支持が得られないことを理由に直前で見送った。その後、アサド政権は反体制派に攻勢をかけ、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を招いたとの批判がある。トランプ氏は4日の声明で「(空爆は)前政権が何もしなかった結果だ」とオバマ氏の対応は弱腰だったと批判していた。

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