米の通信規制緩和 個人情報の保護義務、政権交代で撤廃

2017/4/12 0:11
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 【ニューヨーク=清水石珠実】政権交代を背景に米通信業界で規制緩和が進んでいる。トランプ米大統領は3日付で、インターネット接続業者に顧客の個人情報保護を義務付けた規制を撤廃する法案に署名した。より精度の高い広告配信などを目指す米通信大手が望んだ動きだが、人権団体などは反発を強めている。

 この規制はネット接続業者に対し、利用者の位置情報や金融情報、健康データ、ウェブサイトの閲覧履歴を広告やマーケティングを目的に第三者と共有する際には、利用者の承諾を得ることを義務付けたものだ。

 昨年10月にオバマ前政権下で米連邦通信委員会(FCC)が承認したが、米通信大手のAT&Tやベライゾン・コミュニケーションズ、CATV大手のコムキャストなどが強く反発した。ネット利用履歴などを活用して広告出稿している米グーグルや米フェイスブックなどのネット企業が規制の対象外であることを「不平等」と主張していた。

 この規制は発効待ちの状態にあったが、3月下旬に米議会が上下両院で相次いで撤廃を可決。トランプ氏が撤廃法案に署名したことで、発効しないまま撤廃されることとなった。トランプ氏の署名を受け、FCCのパイ委員長は「オバマ政権時代のネット規制計画の一つを適切に撤廃できた。(同規制は)消費者ではなく、一部の企業を優遇するものだった」との声明を出した。

 ただ、人権や消費者の団体は「個人のプライバシーを侵害する動き」「個人より大企業の意向を優先した」と猛反発。ソーシャルメディアなどでも、個人情報保護規制の撤廃の動きを批判する書き込みが急増したことから、大手ネット接続業者が相次ぎ「個人情報を販売することはない」(AT&T)と声明を出すなど対応に追われている。

 ベライゾンやAT&Tなどの通信大手は、スマートフォン(スマホ)の普及を受け、利用者の正確な位置情報と広告を組み合わせた事業モデルの構築も模索している。トランプ政権の規制緩和路線を追い風に新たな収入源の開拓を目指すが、こうした動きにはまだ曲折がありそうだ。

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