米、中東政策を軌道修正 対テロでエジプトと連携

2017/4/4 21:59
共有
保存
印刷
その他

 【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は3日、エジプトのシシ大統領とホワイトハウスで会談し、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討などテロ対策で連携することを確認した。オバマ前政権は人権問題を理由にシシ氏をホワイトハウスに招かなかった。対テロ戦を重視するトランプ政権は中東方針を軌道修正している。

 「我々は多くを共有している。同意できないことはほとんどない」。トランプ氏は会談でこう語り、エジプトへの支持を約束した。シシ氏は「米国への招待に感謝する」と応じ、トランプ氏への謝意を繰り返した。

 ホワイトハウスの発表によると、両首脳はIS掃討などテロとの戦いで連携を確認。トランプ氏はエジプトが取り組む経済改革への支持や軍事支援を約束した。中東和平問題では、両首脳がイスラエルとパレスチナ双方を支持することに共通の利益を持つと表明した。

 オバマ前政権で米エジプト関係は冷え込んだ。オバマ前大統領はシシ氏による人権弾圧や言論統制に懸念を表明。2013年にシシ氏がクーデターで実権を握った点も問題視し、エジプトへの軍事支援を凍結したことがある。ホワイトハウスにも招待しなかった。

 トランプ氏はテロリストの流入を阻止し、米国の治安を向上させる狙いで、IS掃討を外交上の優先課題の一つとする。トランプ氏はこの点でエジプトと協力できるとみて関係修復に動き、軍事支援も表明した。昨年の米大統領選中にシシ氏と会談したこともある。人権や民主主義といった普遍的価値より「米国第一」の実利に傾斜する政権の体質がにじむ。

 トランプ政権による中東政策の再構築はほかにもある。イランの影響力を排除するため、オバマ前政権のレガシー(政治的遺産)であるイランとの核合意を破棄する構えを示す。中東和平では、歴代の米政権が支持してきたパレスチナ国家とイスラエルとの共存を目指す「2国家共存」には必ずしもこだわらない考えを示唆。イスラエルが「首都」とするエルサレムに今のテルアビブから米国大使館を移転する検討も進めている。

 トランプ氏は5日、ヨルダンのアブドラ国王とホワイトハウスで会談する。テロ対策や中東和平を協議する。各国の指導者と協議を重ねて中東和平交渉の再開に向けた環境整備を進めているが、2国家共存の見直しや大使館移転に動けばアラブ諸国の反発は必至。中東和平の仲介役を果たせるかは不透明だ。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:00
7:00
東北 7:01
7:00
関東 7:01
7:01
東京 7:01
7:00
信越 7:00
7:00
東海 7:05
7:00
北陸 6:02
6:01
関西 12:00
5:55
中国 7:01
7:01
四国 7:01
7:01
九州
沖縄
1:31
25日 21:49

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報