米入国制限、国務省職員900人が大統領令非難メモに署名

2017/2/1 19:11 (2017/2/2 0:49更新)
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 【ワシントン=平野麻理子】イスラム圏7カ国からの入国制限などを命じたトランプ米大統領の大統領令を巡る混乱が続いている。ロイター通信によると、1月31日までに約900人の国務省職員が大統領令を非難するメモに署名した。トランプ政権は難民の一部受け入れをアピールするなど火消しに躍起だが、事態収束のメドは立っていない。

 国務省には外交官らが上層部へ政策に関する懸念を伝える仕組みがあり、メモはすでに上層部に提出されたもようだ。メモは大統領令について「差別に反対し、海外からの訪問者や移民を歓迎するという米国の基本的価値観に反する」と批判しているという。

 スパイサー報道官は1月30日の定例記者会見で「大統領の行動に問題を感じるのであれば、辞めることも考えるべきだろう」と語り、外交を担う国務省ではさらなる混乱も予想される。

 政権幹部は釈明に追われている。大統領令ではシリア難民の受け入れを無期限に停止し、そのほかの地域からの受け入れも120日間停止するとしていたが、今週中には872人の難民の入国を認める方針を示した。ただ、これは大統領令の発令以前に受け入れ作業がほぼ済んでいたとされ、政権が難民受け入れに転じたわけではない。

 米政府によると、大統領令が出てからの3日間で計721人が米国行きの航空機で搭乗を拒否された。さらにジョン・ケリー国土安全保障長官は1月31日の記者会見で、交流サイト(SNS)の書き込みなどもビザ発給の審査に加える考えを示した。身辺調査の厳格化で「テロリスト予備軍」をあぶり出す狙いだが、プライバシー保護の観点から反対意見も出てきそうだ。

 西部ワシントン州に続き、1月31日には東部ニューヨーク州とマサチューセッツ州も大統領令は違憲とする訴訟に加わった。西部カリフォルニア州サンフランシスコは同日、不法移民に公共サービスなどを提供する「聖域都市」への補助金停止を命じる大統領令の差し止めを求めて提訴したと発表した。市民団体などによる訴訟も相次いでいる。トランプ氏は1日朝、ツイッターに「(悪意を持つ)悪いやつらを国外にとどめておくためのものだ!」と投稿し、正当性を強調した。

 世論は賛否が割れている。ロイター通信が1月31日に発表した最新の調査によると、今回の大統領令に賛成する人は49%にのぼり、反対の41%を上回った。メディアでは抗議活動の高まりが目立っているが、テロを恐れて入国審査の厳格化を求める声があるのも事実だ。賛成は共和党支持者、反対は民主党支持者に多く、米国民の意識の断絶を改めて浮き彫りにしている。

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