吉田調書 識者はこう見る

2014/9/12付
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■事故再発防止、調書の活用を

 政府事故調査委員会の委員だった吉岡斉・九大教授の話

 調書が公開されるのは結構なことだ。事故の記録は世界で共有する知だ。事故の再発防止や今後の政策決定などに活用すべきだ。政府事故調の委員の多くは、政治家や要人に対する聴取は公開で実施し、700件を超える調書もルールに基づいて開示すべきだと考えていた。だがルール策定に至らないまま委員会は解散した。大変心残りだった。

 本人の意思で非公開とする権利を与えれば解決する。将来は証言者に対する刑事罰の免責も検討すべきだ。吉田氏の場合、聴取した時点では公開してもよいという意思を持っていたと記憶している。

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■国と事業者の責任範囲明確に

 佐々淳行・元内閣安全保障室長の話

 原子力発電所事故は本来、ハイジャックや激甚災害などと並ぶ国家の危機管理の対象であるべきだが、国の体制は不十分なままだ。吉田調書で明らかになった官邸や東電本店の迷走ぶりは、原発の「安全神話」に支えられてきた危機管理体制の欠如を浮き彫りにした。

 国家行政組織法では、原発の危機管理を担う責任官庁すら不明瞭だ。例えば、船舶事故時には船長は「人命救助など必要な措置を尽くす」と法律で責任が規定されている。原発についても危機管理に関して国と事業者の責任の範囲を明確にする必要がある。

 危機管理のエキスパートを養成することも重要だ。東電本店の命令を無視して原子炉に海水注入を指示した吉田氏の対応は素晴らしい判断だが、すべての現場指揮官にできることではない。国と事業者は早急に危機対応の専門家を育成しなければならない。

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