公的年金、運用損5.3兆円 将来に不安残す
15年度

2016/7/29 23:08
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 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は29日、公的年金の2015年度の運用実績が5兆3098億円の赤字になったと発表した。5年ぶりに運用資産額が減った。円高や株安が響き、国内株式などの評価損が膨らんだ。短期的には給付への影響は出ないが、将来に不安を残す結果となった。

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 15年度末の運用資産は約134兆7千億円で運用利回りは3.81%のマイナスだった。GPIFの高橋則広理事長は記者会見で「実績は謙虚に受け止めたい」と語った。

 大きく影響したのが円高と株安だ。世界的な景気不安から円相場は対ドルで7円強値上がりし、日経平均株価は2400円以上下落した。

 GPIFが2014年10月末に実施した運用改革も、評価損の増加につながった。

 各資産の構成割合を定める基本ポートフォリオにおける国内外の株式の割合をそれまでの2倍の計50%に拡大した結果、株価の変動の影響をより受けやすくなった。国内外の株式で7兆円弱の評価損を出した一方で、国内債は債券価格の上昇を受けて2兆円の評価益を出した。

 3月末時点の運用資産に占める株式の比率は国内株と外国株を合わせて44%で、買いの余力はまだある。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算によると、GPIFの7月28日時点の国内株式の購入余力は5兆円強に及ぶという。

 赤字が膨らんでも、ひとまず年金給付には影響が出ない。

 GPIFが運用する資産は国民が納めた保険料のうち、年金給付に回されずに余った分を積み立てたものだ。年金給付の財源は保険料収入と国庫負担で9割程度をまかない、積立金から得られる財源で充当するのは1割程度にとどまる。

 こうした事情や多額の積立金を理由に、政府は一時的に大幅な評価損が出ても年金給付に影響は出ないと説明する。ただ「運用利回りが想定を大幅に下回れば、保険料の引き上げなどにつながる可能性はある」(西川氏)との指摘もある。

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