東京海上、9400億円で米保険を買収 海外事業を強化

2015/6/10付
共有
保存
印刷
その他

 東京海上ホールディングスは10日、米保険会社HCCインシュアランス・ホールディングスを約75億3千万ドル(9413億円)で買収すると発表した。円ベースの買収額は日本の金融機関による海外M&A(合併・買収)で過去最大級。HCCは主に専門性が高い企業向けの保険を扱い、収益力が高い。東京海上は豊富な手元資金を使い、伸びが期待できる海外事業を強化する。

画像の拡大

 子会社の東京海上日動火災保険を通じてHCCの全株式を買い取り、年内に完全子会社化する。買収額は1株あたり78ドルで、直近の株価に37%上乗せした。買収資金の一部は借り入れで補うが、東京海上の現金・預貯金などの合計額は1兆4000億円を超えており、大半は手元資金で賄う見通し。2008年の三菱UFJフィナンシャル・グループによる米モルガン・スタンレーへの出資(90億ドル、当時の為替で9400億円)に匹敵する大型案件となる。

 HCCは米国を拠点に欧州などでも展開する。保険業界では時価総額で世界57位だが、役員賠償責任保険や航空保険、農業保険など専門的な企業保険に強みを持つ。自然災害のリスクが小さく、利益ベースでは過去10年、年平均11%成長してきた。

 東京海上は08年以降、英キルンや米フィラデルフィア、米デルファイを相次ぎ買収し、海外事業を拡大してきた。HCCの買収で純利益は500億円ほど上乗せできる見通し。収入保険料に占める海外比率は32%から38%に海外利益比率は38%から46%に上がる。

 都内で記者会見した永野毅社長は「グローバルな保険グループとして、海外事業の拡大によって成長の機会を追求する」と強調した。そのうえで「地理的、事業的に分散させることで(国内外が)相互に支え合う構図をつくり、収益をさらに安定させる」と説明した。

 HCCは買収に同意しており、買収後も主要幹部が残留する見通し。高い専門性を生かして、企業保険分野で存在感を発揮する。世界最大の保険市場である米国に加え、東京海上が販売網を持つ日本や新興国でもHCCの主力商品を販売する。グループ会社がそれぞれの強みを生かして、保険の引き受けや資産運用収益を積み増す。

 東京海上は自動車保険の収支改善などを背景に15年3月期決算で最高益を更新した。ただ長い目でみると日本は人口が減る見通しで大きな成長は期待できない。自然災害で収益が振れやすい課題も抱えている。海外事業をテコ入れして、より安定した成長をめざす。

 日本の保険会社による海外M&Aを巡っては、第一生命保険が2月に米プロテクティブ生命を約5750億円で買収した。3月には損保ジャパン日本興亜ホールディングスが約1100億円で仏スコールに15%出資すると発表している。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:01
7:00
東北 7:00
7:00
関東 7:01
7:00
東京 7:01
7:00
信越 11:22
7:00
東海 14:45
7:05
北陸 7:01
7:01
関西 6:00
6:00
中国 6:32
6:25
四国 6:32
6:25
九州
沖縄
7:00
7:00

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報