4月失業率3.3%、18年ぶり低水準 個人消費なお低迷

2015/5/29付
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 景気の緩やかな回復を映し、雇用や企業の生産活動の改善が続いている。4月の完全失業率は3.3%と前月に比べ0.1ポイント低下。1997年4月以来、18年ぶりの低水準となった。企業の採用が活発になり離職者が減った。IT(情報技術)関連などの生産が増え、鉱工業生産指数は前月比1%増となった。ただ、家計の消費支出はマイナスで、個人消費の本格回復には至っていない。

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 総務省が29日発表した4月の失業率は3カ月連続で改善した。未就職の状態で仕事を探している完全失業者数(季節調整値)は219万人で、前月に比べ2万人減った。このうち勤め先や事業の都合による離職は4万人減の40万人となり、2002年以降で最も少なくなった。

 正社員と非正規社員の両方が増え、雇用の質も改善している。正規社員は前年同月比6万人増の3294万人、非正規社員は30万人増の1939万人だった。15歳から64歳の就業率は72.9%で0.5ポイント上昇した。

 失業率はリーマン・ショック後の2009年7月に5.5%に上昇したが、景気の持ち直しを受けて低下傾向が続いている。現行の賃金水準で働きたい人がすべて雇用されている「完全雇用」に一段と近づいたとの見方もある。

 雇用指標では、同日厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率季節調整値)は、1.17倍と前月から0.02ポイント上昇した。23年1カ月ぶりの高水準だ。教育・学習支援業や医療・福祉で求人が増えた。有効求人倍率が高いほど、求職者は仕事を見つけやすく、企業は採用が難しい。幅広い業種で、人手不足が続き、賃金も上昇する要因となっている。

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 雇用改善の背景には企業の生産活動の持ち直しがある。経済産業省が同日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整値)速報値は前月比1.0%増の99.1となった。前月を上回るのは3カ月ぶり。経産省は「緩やかな持ち直しの動き」との基調判断を据え置いた。中国などアジアで組み立てるスマートフォンの新機種生産を見込み、電子部品・デバイスが5.2%増えた。電気機械は国内向けのエアコンを中心に6.4%増加した。

 一方、個人消費は低迷から脱し切れていない。総務省が同日発表した4月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯当たり消費支出は30万480円と、物価の動きを除いた実質で前年同月比1.3%減った。減少は13カ月連続となる。

 住宅リフォームなどの支出が減り「住居」が実質で20.6%減り、全体を大きく押し下げた。総務省は「増税前の駆け込み需要で膨らんだリフォーム費の支払いが4月にずれ込んだことが影響した」と説明した。

 季節要因をならした4月の実質消費支出を3月比でみても5.5%減だった。マイナス幅は縮小傾向にあるが、消費には弱さがある。

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