企業の海外投資、増勢続く 直接投資150兆円超え
15年末時点

2016/5/24 17:30
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 円安の流れが一服したにもかかわらず、日本から海外への投資の勢いが衰えていない。財務省が24日発表した2015年末時点の海外への直接投資の残高は前年比6.8%増の151兆6150億円。前年を上回るのは5年連続で、新興国などで収益を得ようと、サービス業などで海外でのM&A(合併・買収)が活発になっている。

 直接投資は海外企業の株式を議決権ベースで10%以上取得した際の投資額を集計している。取得が10%未満なら証券投資になる。

 直接投資は東日本大震災以降、加速している。直近で残高が底だったのは10年末の68兆円だが、15年末は10年末の2.2倍に膨らんだ。

 M&A助言のレコフによると、15年に明らかになった日本企業による海外企業のM&Aでの投資額は前年の約2倍の11兆円と過去最多になった。人口減少を受けた国内市場の縮小を企業が強く意識し、海外市場に活路を求めるようになっているためだ。

 とりわけ非製造業で活発だ。伊藤忠商事はタイ最大財閥とともに、中国最大の国有複合企業、中国中信集団の傘下企業に1兆2千億円を出資したほか、東京海上ホールディングスは米保険会社を約9千億円で買収した。レコフのまとめでは買収額の大きかった上位10案件のうち、8件が商社や金融、保険など非製造業によるものだった。

 投資の活発さは、15年は為替の円安が一服したにもかかわらず直接投資残高が増えたことにも表れている。円安になると外貨建て資産を円に換算したときの金額が大きくなり、円高になると小さくなる。足元で残高が増えていたのは12年後半から急激に円安が進んだことも大きな要因になっていた。

 15年末の為替レートは14年末と比べると、対ドルで0.5%円安と円安幅が1年前の13.7%から大きく縮まり、対ユーロでは9.8%円高と4年ぶりに円高になった。財務省によると直接投資残高は為替要因で5.0兆円分押し下げられたという。ただ、為替要因を除いた投資の実力部分が15.8兆円分増えたため、全体の投資残高を見ても増加基調を維持した。

 16年も海外への投資を強める企業が目立っている。一方、為替の円高傾向は16年に入ってから一層強まっており、より実力が試される一年となりそうだ。

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