安倍首相の所信表明演説全文

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2016/9/26 14:18
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1、はじめに

 世界一への執念。歴代最多のメダルラッシュとなったリオ五輪では、世界の強豪たちに真っ向勝負を挑み、最後の一瞬まで勝利を諦めない選手たちの姿に、日本中が感動しました。4年後の東京オリンピック・パラリンピックは、必ずや、世界一の大会にする。何としても、成功させなければなりません。

 同時に、我が国の「未来」を切り拓く。私たちもまた、世界一暮らしやすい国、世界一信頼される国を目指し、新たなスタートを切る時です。参議院選挙で、自由民主党と公明党の連立与党は、目標の改選過半数を大きく上回る勝利を得ることができました。

 「この道を、力強く、前へ」これが、選挙で示された国民の意思であります。安定的な政治基盤の上に、しっかりと結果を出していく。国民の負託に応えていく決意であります。

 この国会に求められていることは、目の前の課題から逃げることではありません。挑戦です。いかに困難な課題にもチャレンジし、建設的な議論を行って「結果」を出すことであります。

 一億総活躍、地方創生、農政新時代、そして地球儀を俯瞰(ふかん)する外交。安倍内閣は「未来」への挑戦を続けます。世界の真ん中で輝く、日本の「未来」を、皆さん、共に切り拓いていこうではありませんか。

2、災害復旧・復興

 この夏、台風10号をはじめ記録的な豪雨が相次ぎました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表し、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。北海道、東北を中心に各地で、生活インフラ、収穫間近であった農作物などに甚大な被害が発生しており、激甚災害として、その復旧に全力を挙げてまいります。更なる防災・減災対策に取り組み、国土強靱(きょうじん)化を進めます。

 熊本地震から5か月。仮設住宅への入居はほぼ完了しましたが、更に災害公営住宅の建設、保育所や介護施設の復旧など、被災地の生活再建を加速します。中小・小規模事業者、農林漁業者の皆さんの事業再開を支援し、生業(なりわい)の復興も進めます。特別交付税を増額し、被災自治体の財政負担を軽減します。1日も早い復興を目指して取り組んでまいります。

 東北では、外国人宿泊者が昨年、震災前を上回りました。「観光先進地・東北」を目指し、新たなチャレンジを支援します。福島では、中間貯蔵施設の建設、除染など住民の帰還に向けた環境整備、廃炉・汚染水対策を着実に進めながら、未来のエネルギー社会を拓く「先駆けの地」として、新しい産業の集積を一層促進してまいります。

 あの大震災、困難の日々を胸に刻みながら、被災地の皆さんと力を合わせ、新しい東北の未来を切り拓いてまいります。

3、アベノミクスの加速

〈国際協調〉

 英国の欧州連合(EU)離脱、失速する新興国経済。世界経済は今、大きなリスクに直面しています。

 新たな危機に陥ることを回避するため、主要7カ国(G7)が協力して、全ての政策対応を行う。伊勢志摩の地で合意しました。英国のEU離脱の判断に際し、G7が緊密な協議を行い、速やかに行動しました。

 先般の20カ国・地域(G20)では、中国をはじめ新興国とも、この危機感を共有しました。世界経済の成長と市場の安定のため、国際協調の強化に、更なるリーダーシップを発揮してまいります。

〈政策総動員〉

 G7の議長国として、日本はその責任を果たす。あらゆる政策を総動員いたします。事業規模28兆円を超える経済対策を講じ、内需を力強く下支えします。アベノミクスを一層加速し、デフレからの脱出速度を最大限まで引き上げてまいります。

 有効求人倍率は、47全ての都道府県で1倍を超えています。史上初めての事です。実質賃金もプラスに転じ、6カ月連続でアップ。雇用の拡大、賃金の上昇による「経済の好循環」が生まれています。

 この流れをより確かなものにする。本年、最低賃金を、時給方式となって過去最大の25円引き上げます。千円を目指し、社会全体の所得の底上げを図ります。

 「経済の好循環」の成否は、全国の中小・小規模事業者の皆さんの元気にかかっています。生産性向上、販路開拓などの努力を後押しします。下請法の運用基準を13年ぶりに抜本改訂し、下請け取引の条件改善を進めます。低利融資による資金繰り支援と併せ、地域経済を支える金融機関のセーフティーネットである金融機能強化法を延長します。

 消費税率10%への引き上げを30カ月延期します。平成31年10月の実施に向け、軽減税率導入へ準備を進めます。それまでの間、逆進性対策として、所得の低い世帯への給付を行います。

 消費増税が延期された中にあっても、2020年度の財政健全化目標を堅持します。アベノミクスの果実も活かし、優先順位を付けながら社会保障を充実していきます。無年金者対策は喫緊の課題であり、来年度中に、年金受給資格期間を25年から10年へと短縮します。「成長と分配の好循環」を創り上げてまいります。

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