児童手当見直し議論 18年度予算編成

2017/4/20 20:47
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 政府内で2018年度予算編成に向けた社会保障改革の議論が本格始動した。20日の財政制度等審議会では、今後計画される保育所増設の財源として、高所得世帯を対象にした児童手当の特例措置を廃止する案が浮上した。予算編成では医師や介護事業者の報酬を決める診療報酬と介護報酬の改定も大きな焦点で、財務省はできるだけ報酬を抑えたい考え。膨れる社会保障費の抑制には構造改革も欠かせない。

財政制度等審議会財政制度分科会で榊原会長(右)らが出席し社会保障改革などを議論した(20日、財務省内)
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財政制度等審議会財政制度分科会で榊原会長(右)らが出席し社会保障改革などを議論した(20日、財務省内)

 財制審が20日、社会保障改革の検討に着手した。経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)でも医療・介護を一体的に改革して社会保障費の抑制につなげるなどの検討を進めており、6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)や年末に決める18年度予算案に反映される見通しだ。

 20日の財制審でテーマとなったのが、政府が6月にまとめる待機児童解消に向けた新計画を踏まえ、保育所を増設するために必要な財源の確保策だ。中学生以下の子どものいる世帯に配る児童手当の支給基準の見直しを掲げた。夫婦子2人の場合、年収960万円未満に適用する所得制限があるが、所得制限がかかるはずの世帯にも月5千円を配る特例措置を設けている。

 財務省は特例措置の廃止を検討するよう主張。そうすれば約500億円の財源が確保でき、この分を保育所など「保育の受け皿」の整備にあてる考え。いまの所得制限の基準見直しも検討する。現在は主たる生計者の所得だけで判定しているが、夫婦合算の所得に切り替える案などが出ている。

 18年度予算編成で診療報酬や介護報酬をどこまで改定するかも焦点だ。同時に改定するのは6年に1度。25年に団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になるなど、急速に医療・介護需要が増えるのを踏まえ、財務省などは改革に切り込む好機とみる。入院から在宅での医療に切り替えていくことは、制度の持続性を高めるのに不可欠だ。報酬の抑制だけでなく、地域での医療・介護の連携を進める改定作業に導けるかも焦点となる。

 生活保護の支給基準の見直しも決まっている。財務省は医療費の扶助の適正化に取り組む考えだ。生活保護世帯の医療費は全額公費で負担する。これを踏まえ、一部で過剰診療や悪徳な事業者に薬を売り渡すといった事例がでている。

 児童手当の見直しや診療報酬などの改定だけでも、社会保障費の抑制のための抜本的な解決にはなお遠い。財務省はかかりつけ医以外の病院に外来受診した場合、少額の負担を求める新制度の導入を検討している。過剰に病院に通院することを抑制する狙いだ。

 ただ、政府・与党内には負担増の議論に後ろ向きな声は多い。年末に向けて財務省と厚生労働省や与党との駆け引きが激しくなる見通しだ。

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