基準地価、商業地9年ぶり上昇 訪日客けん引
住宅地は25年連続下落

2016/9/20 16:52
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 国土交通省が20日発表した2016年7月1日時点の基準地価は、全国商業地が前年比0.005%のプラスとわずかながら9年ぶりに上昇に転じた。外国人観光客が増え、店舗やホテル用の地価が上がった。マイナス金利を受けた不動産投資が地方に波及し、札幌、仙台、広島、福岡4市の商業地上昇率は6.7%と三大都市圏の2.9%を上回った。

東京・銀座の地価は、リーマン危機前の2008年を上回り、バブル期のピークに迫った

東京・銀座の地価は、リーマン危機前の2008年を上回り、バブル期のピークに迫った

 全国の住宅地は0.8%の下落、全用途は0.6%の下落だった。いずれも25年連続のマイナスだが、7年連続で下げ幅を縮めた。

 商業地の地価がマイナス圏から脱したのは、景気回復を背景にオフィス需要が堅調に推移し、訪日客が集まるホテルや商業施設の収益性が高まったためだ。広島県や福岡県は前年の下落から上昇に転換。商業地が上昇した都道府県は前年の12から15に増えた。

 札幌など地方中核4市の商業地上昇率は9年ぶりの大きさで、東京圏(2.7%)や大阪圏(3.7%)を上回った。周辺地域から経済活動や人口が集まり、商業施設やホテル用地などの需要が増えている。訪日客に人気がある京都市や北陸新幹線の開業効果が続く金沢市も2割を超す上昇地点が出た。

 全国で最も地価が高かったのは東京・銀座の「明治屋銀座ビル」。周囲は人通りが多く、再開発が盛んな地域だ。地価は1平方メートルあたり3300万円と、リーマン危機前の08年(3000万円)を上回り、バブル期のピーク(3800万円)に迫った。

 商業地に比べると住宅地の回復の足取りは重い。三大都市圏は0.4%上昇と前年と変わらず。名古屋圏の上昇率は0.5%と前年の0.7%と比べて鈍化した。低金利が需要を下支えしているが、上昇の勢いを欠く。住宅地が上昇した都道府県は前年の8から5に減った。

 地域別では三大都市圏の伸び悩みと地方の二極化が目立った。低金利で行き場を失った投資資金が不動産市場に流れ込んで地価を押し上げてきたが、高値警戒感も出ている。三大都市圏の全用途上昇率は1.0%と、前年の0.9%とあまり変わらなかった。

 札幌など中核4市を除く地方圏の全用途は1.4%下落した。人口減少という構造問題を抱える地方は依然として厳しい。秋田県は住宅地が3.4%、商業地が3.8%の下落。人口減少や高齢化が全国でもっとも進んでおり、地価の下落率も全国1位だった。

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