スティグリッツ氏「持続的成長へ所得分配重視すべき」

2017/3/15 0:30
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 政府は14日の経済財政諮問会議に米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授を招き、日本の経済財政運営の課題を議論した。同氏は経済を持続的に成長させていくために所得の分配を重視すべきだと訴えた。これを受け、安倍晋三首相は最低賃金引き上げや非正規社員の処遇改善など働き方改革と並んで、高等教育の機会拡充など新たな政策を加速させる考えを強調した。

 スティグリッツ氏は長引く低成長を打破するために「所得分配の仕組みを変える必要がある」と指摘した。具体的には教育や健康医療など公的サービスの賃金を引き上げて雇用を作り出せば「所得格差の拡大を抑えられる」と述べた。

 また生活水準の改善に結びつくサービス業の生産性上昇が鈍い点を日本経済の問題点として挙げた。「製造業への回帰はうまくいかない」とも語り、サービス業を中心に研究開発をテコ入れすべきだと訴えた。

 同氏の主張に対し、首相は「アベノミクスの第2ステージとして進めている政策の考え方と相通じるものがある」と応じた。ノーベル経済学賞受賞者から政権が掲げる「成長と分配の好循環」にお墨付きを得たと示す狙いがある。首相が重視する教育の充実などに向けて、2018年度予算へ布石を打った格好だ。

 ただ、大学や幼稚園などの教育無償化に必要なお金が最大で年6兆円かかる。政府は財政健全化計画で、16~18年度予算の歳出増の上限を年5300億円とする目安を設けている。このうち5000億円は社会保障。社会保障以外の予算増額は300億円のみで、教育の充実には新たな財源確保が必要になる。自民党内では「教育国債」の発行による財源確保も検討されている。

 スティグリッツ氏は19年10月に10%への引き上げを予定する消費増税にも言及。「政府債務を減らすための消費増税は逆効果だ」と述べ、増税に慎重な姿勢を示した。同氏は昨年3月にも世界経済の弱さを理由に、当時17年4月に予定していた増税の先送りを提言していた。

 政府は18年度に国と地方の基礎的財政収支の赤字幅を国内総生産(GDP)比で1%に縮小するとの中間目標を掲げている。目標への進捗を確認したうえで財政健全化計画を見直す方針だ。増税にからむ発言は、計画見直しにも影響を与えそうだ。

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