全米商工会議所での安倍首相のあいさつ要旨

2017/2/11 0:19
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 安倍晋三首相の全米商工会議所でのあいさつの要旨は次の通り。

 世界のリーダーが交代している。経済面でも米国を先頭に成長ペースに上昇の兆しが見えてきている。私とトランプ大統領が今後の世界を展望し、認識をすり合わせながら相互の役割と協力の仕方をじっくりと話し合うのはとてもタイムリーだ。

 価値観と戦略的利益を共有する日米両国だからこそ変えてはならないものを大切にしながら、同時に足元の動きにダイナミックに対応し、世界の経済成長軌道をリードすることができる。

 私が議員に初当選した1993年、クリントン大統領の就任式のためにワシントンに来た。当時は自動車貿易摩擦で、日米は一方が得をすることが他方に損を及ぼすゼロサムの考え方に陥っていた。

 しかし日米両国は協議を重ねる中で、プラスサムの道を見いだしていった。日本の自動車メーカーは次々と米国に工場を展開し雇用を生み、地域社会との融和に努めてきた。それから四半世紀近く、今や米国で走るトヨタ自動車の7割以上、ホンダは9割以上が米国内で生産されている。つまり日本から米国に輸出されるより圧倒的多数の車が米国で米国人の手により生産されている。

 製造業全体でみると、米国の統計でも、日本企業は外国企業では最も多い38万人の雇用を生んでいる。日本企業全体でみると、米国への直接の投資残高は4110億ドル、生み出した雇用は84万人になる。日本側で雇用を米国でとられているといった声は聞いたことがない。日本側もビジネスができている。まさにウインウインの関係だ。

 しかしこの間、別の脅威が現れてきた。1994年に関税貿易一般協定(GATT)が世界貿易機関(WTO)に生まれ変わり、中国をはじめとする新興国が加盟した。

 世界の通商ルールを共通にし、ともに公正なルールのもとで競い合い、歴史を深めながら、成長を遂げることができるはずだ。実際、数年前までは世界貿易の伸び率が国内総生産(GDP)成長率を上回っていた。しかし最近はどうか。世界貿易の伸び率をGDPの伸び率さえも下回っている。

 鉄鋼をみてください。ある国での過剰生産が止まらず、輸出が増え、世界的な安値を招いている。知的財産を守るルールが国際的に浸透しなければイノベーションの成果も台無しだ。情報の流通を妨げるハッキングも国境を越えている。本来公正な市場競争を守るはずの独占禁止法がその国での外国企業の新規参入を妨げ、逆に競争を妨げるとの懸念される事態も散見される。

 こうした中で、今回の訪米では首脳同士の信頼関係をしっかり構築するとともに、揺るぎない日米同盟を内外にしっかり示したい。今回の訪米が日米の新たな経済関係の幕開けになることを期待している。(ワシントン=地曳航也)

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