農産物輸出好調、1~6月4.5%増 政府目標はなお遠く

2017/8/11 0:46
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 農林水産物・食品の輸出が好調を保っている。農林水産省が10日発表した2017年1~6月の輸出額は前年同期比4.5%増の3786億円に増加。日本酒や牛肉が過去最高を更新したほか、一時不振だった主力海産物のホタテが回復した。品目ごとのばらつきも大きく、19年に1兆円に引き上げる政府目標の達成はなお遠い。

 輸出先別では中国向けがホタテや丸太がけん引し、27%増加。米国向けも牛肉輸出が好調で2%増えた。たばこなど一部品目の落ち込みが響き台湾向けは20%減、香港向けも4%減ったが、日本産品の需要そのものは底堅いとの声が多い。

 7月初旬、ロンドンのリンドリーホール。日本貿易振興機構(ジェトロ)と国税庁が初めて開催した日本の酒類を売り込むイベント「WABI」(ワビ)に2日間で1500人近くが来場した。発泡性の日本酒や抹茶を使ったリキュールなど独特の酒類に現地バイヤーの関心が集まった。

 上半期の農産物輸出額は5年連続で前年を上回った。伸びた品目は「メード・イン・ジャパン」の強みがはっきりしたものだ。健康志向が広がる欧州などで人気を博す緑茶は27%増の68億円、いわゆる「霜降り」と呼ばれる脂肪分が豊富な牛肉は57%増の79億円と、いずれも過去最高だ。タイに「秋田牛」を輸出する秋田県食肉流通公社の今年度の輸出額は約900万円だった前年度実績を上回る勢いだ。

 農林水産物の輸出品目別で首位のホタテは一時の不振を脱しつつある。昨年の上半期は28%減の218億円だったが、今年の上半期は3%増の226億円。台風で稚貝が死滅した北海道の主力産地は低迷が続くものの、代わって青森など他の産地が輸出を伸ばした。

 ブランド力はあっても自然条件に左右される農水産物輸出を安定して伸ばすのは難しい。15年までは生鮮農畜産物で首位だったリンゴは35%減の41億円と大きく落ち込んだ。昨年の雨不足などで国内生産が落ち込み「(主要な輸出先である)台湾で好まれる大玉が少なかった」(青森県りんご輸出協会)ためだ。

 安倍政権は19年に輸出額を1兆円に引き上げる目標を掲げている。16年の7502億円から3割の上積みが必要でいまのペースでは届かない。牛肉や日本酒に続く成長の柱を育てるのが課題だ。

 例えば職人技が光る盆栽や植木はその一つ。松盆栽の全国シェアの8割を占める香川県の高松盆栽輸出振興会の担当者は「中国の富裕層向けが伸びている」と話す。大枠合意した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)では盆栽・植木・鉢物にかかる6.5~8.3%の関税が即時撤廃となったことも追い風だ。

 政府は4月、ワインやチーズを世界に売るフランスを参考に、官民の混成チームからなる輸出支援団体「日本食品海外プロモーションセンター」を立ち上げた。効果的に潜在力を持つ日本産品を売り込む手腕が問われている。

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