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北朝鮮「新たな段階の脅威」 防衛白書、認識厳しく

2017/8/8 10:24
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 小野寺五典防衛相は8日の閣議で、2017年版防衛白書を報告した。北朝鮮が進める核・ミサイル開発について「新たな段階の脅威となった」と明記し、脅威認識を昨年から一段上げた。7月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けた長距離ミサイルの実用化や、核の小型化にも懸念を強調。軍事活動を活発化させる中国の動向にも警戒感を示した。

北朝鮮が行った「火星14」の発射実験=朝鮮通信・共同

 防衛白書は防衛省が日本の防衛政策に国民の理解を得るため毎年刊行している。17年版ではアジア太平洋地域の安全保障環境を「不安定要因はより深刻化している」とした。北朝鮮への認識は16年版で「地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」だけだったが「新たな段階の脅威」という文言を加えた。昨年9月から安倍晋三首相が使う言い回しだ。

 7月4日の弾道ミサイルは通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」だった。通常軌道なら最大射程5500キロメートルを超えるとして「ICBM級」と認定。「長距離ミサイルの実用化に向け技術獲得の姿勢を示している」とした。大気圏への再突入技術の開発も進めているとした。核実験では「核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が考えられる」とした。

 日本への脅威では、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を地上発射型に改良したミサイルが射程1千キロメートルに及ぶと分析。「我が国を射程に入れる新型弾道ミサイルが配備される可能性が考えられる」と言及した。

 中国の脅威の度合いも上げた。東シナ海、南シナ海など中国の海洋進出について「わが国や国際社会の安全保障環境に与える影響について強く懸念される」とした。16年版は「強い懸念を抱かせる面がある」だった。中国の国防費が07年度から10年間で3倍になったと指摘。東シナ海での軍艦艇の活動が南方向に広がっていると分析した。

 ロシアが16年11月に北方領土への地対艦ミサイル配備を発表したが「事実上の占拠のもと活動を活発化させている」と強調。米トランプ政権の北朝鮮への対応は「軍事的プレゼンスを示していくと考えられる」とした。世界で猛威をふるうサイバー攻撃は「国家安全保障に重大な影響を及ぼす」とした。

 防衛省は17年版防衛白書の巻頭言を稲田朋美元防衛相で準備していた。先月末に辞任したため、小野寺氏に差し替えた。

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