医師の偏在対策、強制に反対 厚労省検討会

2017/4/6 20:52
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 医師の働き方などについて話し合う厚生労働省の検討会が6日、医師の偏在解消のために強制的な手段を使うことに反対する考えを示した報告書をまとめた。報告書では過酷な労働環境など支障を取り払えば、多くの医師が地方で働くと指摘した。ただ厚労省は過去に、別の会議で「偏在解消には規制が必要」との中間報告をまとめており、議論が混乱する懸念も浮かんでいる。

 検討会は団塊世代の高齢化に伴う「多死社会」への対応や、長時間労働が常態化する医師や看護師の働き方の見直しにつなげるために昨年10月に設置された。

 報告書で強調したのが医師の偏在問題への対応だ。偏在は都道府県によって人口あたりの医師の人数に大きな差があったり、特定の診療科に医師が偏っていたりする問題。救急患者のたらい回しや地域医療を支える医療機関の閉鎖・縮小に直結するため、国民にとっても放置できない課題だ。たとえば都道府県別の10万人あたりの医師数でみると、京都が307.9人と最多で、最少の埼玉と2倍の差があるなど地域差は大きい。

 これに対し報告書では全国1万6千人の医師への実態調査をもとに、44%の医師が地方勤務の意思があると指摘した。一方で想定通り医師の地方勤務が進まない理由として、極端に少ない休日や長時間勤務といった「過重労働」と「希望する仕事ができない」という2点を挙げた。

 そのうえで「支障が除かれれば、地方に従事する可能性が多く秘められている」と強調。「『規制的手段によって医療従事者を誘導・配置すれば足りる』との発想に依存すべきではない」と結論づけた。

 だが偏在対策を専門に検討する厚労省の医師需給分科会では昨年6月、偏在の解消には「規制を含む対策が必要」との中間報告を公表している。医師がどこでも自由に開業できる「自由開業」や、法律で定められた診療科であれば何を標榜してもよい「自由標榜」の見直しにも踏み込んでおり、有識者の間では「画期的だ」と期待する声もあった。

 それと比べると今回の報告書は、偏在対策が後退している印象が拭えない。厚労省内には「(6日の)報告書への塩崎厚労相のこだわりは強い」(同省幹部)との声もあり、今後の議論でどちらの考えが優先されるのかは見通せない状況だ。

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