農協改革で政府と対立鮮明 JA全中、経営指導権の維持狙う

2014/11/7付
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 安倍晋三政権が掲げる農協改革に、約700の地域農協を束ねる全国農業協同組合中央会(JA全中)が対決姿勢を鮮明にしている。JA全中は6日、自ら組織改革案を公表したが、各農協を指導する監査権限などを従来通り維持する方針を強調した。政府・与党は年末までに農協改革案をまとめるが、JA全中は自民党農林族を取り込んで巻き返しており、調整は難航しそうだ。

 農協の多くは農家からの農産物の買い取り価格や経営指導が画一的で、企業の農業参入にも否定的だった。政府は成長戦略で農産物輸出の拡大などを掲げ、大胆な農協改革を迫っている。中でもJA全中の全国一律の経営指導に問題があるとみていた。

 JA全中の万歳章会長は6日の記者会見で「自らの組織改革を自らの手でやり遂げるという決意でまとめた」と述べた。全中が公表した自己改革案は「新たな中央会は農協法上に措置することが必要」と明記した。

 首相は10月3日の衆院予算委員会で「農協法に基づく現行の中央会制度は存続しないことになる」と明言しており、両者の考えは真っ向から対立することになる。

 安倍政権は農協法で定めた全中の位置づけを廃止し、経団連などほかの業界団体と同じ一般社団法人への転換をめざす。各農協が独自の経営判断で農産物の開発や流通ルートの開拓に取り組むようにする。農協が監査代の対価などとして全中に支払う年間70億円程度の「負担金」もなくなり、経営の自由度は増す。農協に出資する農家の配当も増える可能性がある。

 だが全中は6日の改革案で経営指導権は「経営相談」に名称変更するものの、農協法で制度を存続する方針を盛り込んだ。社団法人化も見送った。農林水産省幹部は「政府と隔たりが大きい」と困惑する。安倍政権には農協改革に熱心な菅義偉官房長官や西川公也農相らがおり、強硬姿勢を崩さない。

 来春には統一地方選を控え、自民党内には農協の集票力に期待がなお残る。「岩盤規制」の突破を掲げる安倍政権の改革姿勢を問われることにもなり、年末に向けて議論は波乱含みだ。

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