上皇后か皇太后を検討 退位後の皇后さまの呼称

2017/4/4 23:58
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 天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は4日、退位後の天皇の呼称や待遇などの制度設計に関して集中討議を行った。陛下の退位後の皇后さまの呼称について「上皇后」や「皇太后」を検討したものの方向性は出なかった。21日にも安倍晋三首相に提出する最終提言に向け、意見集約を急ぐ。

4日開いた有識者会議の会合(首相官邸)
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4日開いた有識者会議の会合(首相官邸)

 集中討議では、天皇退位後の制度設計に関し、皇室に詳しい専門家を呼んで意見聴取した前回の会合を踏まえ、退位後の天皇と皇后の呼称や敬称、葬儀のあり方などについて議論した。

 メンバーの一人の山内昌之東大名誉教授は終了後、記者団に退位後の天皇の呼称に関し「上皇という方向で調整される」と明言した。皇后さまについては「上皇という呼称との関係、皇室典範に規定されている皇后さまに相当する名称の歴史性と現代性を勘案し、もう少し議論が必要だ。皇太后あるいは上皇后に関する議論は行われた」と語った。皇室典範には皇太后の呼称はあるものの上皇后の規定はない。

 政府内には退位後の天皇を上皇と呼ぶ方向となったのを踏まえ「上皇后が望ましい」との指摘や「皇太后は亡くなった天皇の后(きさき)という印象がある」(関係者)との意見もある。

 皇太子さまが即位した後、皇位継承順位1位になる秋篠宮さまの処遇については「皇太子」と同様の待遇とする方向だ。皇太子ご一家と一般の宮家では予算やスタッフなどの面で差があり、待遇改善を図る。天皇・皇后両陛下と皇太子ご一家の日常生活費となる「内廷費」と、秋篠宮さまご一家をはじめ宮家の日常生活費となる「皇族費」のあり方などが焦点となる。

 秋篠宮さまの呼称を巡っては「広く国民に定着している」(政府関係者)として、これまで通り秋篠宮さまとする案が有力だ。ただ皇位継承順位1位であることがわかりにくく、海外接遇の際に不都合が生じるなどの懸念もあり「皇太子」の称号を付与する案もある。専門家の中には「皇室典範の解釈を変えれば、秋篠宮さまを皇太子さまと呼ぶことも可能」との意見や、新たに「皇太弟」とする構想もある。

 一方、退位後の天皇の呼称に関しては方向性が固まった。有識者会議は最終提言で呼称を「上皇」、敬称を「陛下」と明記する方針だ。退位後の天皇の呼称は、現役の天皇との「権威の二元化」をいかに避けるかが課題となる。政府は過去のように退位した天皇と現役の天皇を巻き込んだ政争が起きる事態は想定しにくいとみているが、現行憲法がうたう象徴天皇制のもと、退位した天皇が一定の権威を保てば「象徴の二重化」という矛盾も引き起こしかねない。

 前回の意見聴取では、専門家3人が退位後の天皇の呼称は「太上天皇」か、略称の「上皇」が望ましいとの考えを示した。有識者会議では「太上天皇は今上天皇と天皇が2人いるようなイメージを与えるため、上皇の方が望ましい」(メンバーの一人)という意見が多くを占めた。政府内には「退位後の天皇は一切の公的な活動を控えるべきだ」(高官)との声もある。

 このほか、葬儀や陵墓はこれまでと同じ「大喪の礼」「陵」とそれぞれ最終提言に盛り込む見通しとなった。

 有識者会議は6日も集中討議を続行する。座長代理の御厨貴東大名誉教授は4日の会合後の記者会見で「首相に、慎重で迅速にと言われている。両方で検討を進める」と語った。

 一代限りの退位を容認する特例法制定を政府に求める国会の提言も踏まえ、有識者会議は21日にもとりまとめる最終提言で、特例法制定を前面に打ち出す方針。政府は最終提言を受け、4月末からの大型連休後、特例法と関連法案を国会に提出する方針だ。

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