米、追加利上げ見送り 「年内は2回どまり」示唆

2016/3/17 3:02 (2016/3/17 11:11更新)
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 【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。記者会見したイエレン議長は「海外経済と金融市場には引き続きリスクがある」と述べ、市場動向などを注視する考えを強調した。焦点の年内の利上げペースについては、当初想定した4回から2回にとどまる可能性を示唆した。

 FRBは昨年12月に9年半ぶりの利上げを決めた。ただ年明け以降は株安や原油安など市場の動揺が強まり、1月の会合に続き今回も追加利上げを見送った。短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標は年0.25~0.50%で据え置く。投票メンバー10人のうち9人が賛成したが、カンザスシティー連銀のジョージ総裁は反対し、0.25%の利上げを提案した。

 FOMC後に公表した政策金利見通しでは、参加者の多くが2016年中に2回の利上げを想定していることがわかった。昨年12月時点では年4回の追加利上げを想定していたが、市場の動揺再燃を懸念して下方修正した。17年は4回前後の利上げを想定しており、緩やかな利上げ路線自体は維持する。

 会合後に記者会見したイエレン議長は、海外経済にはリスクが残っていると指摘。そのうえで「中国の減速に驚きはないが、日本が15年10~12月期にマイナス成長に陥ったのはやや驚いた」と述べた。利上げペースの減速は「年明けからの市場の混乱が、企業の資金調達にも影響しているからだ」と説明した。

 米景気については「労働市場は完全雇用に近く、米経済は緩やかな拡大が続く」と自信をみせた。賃金の上昇などによって、物価上昇率も中期的には目標の2%に近づくとみており「インフレ率に合わせて政策金利もゆっくり引き上げていく」と強調した。

 金融市場の関心は追加利上げの時期に移る。4月下旬に開く次回会合での利上げについて、イエレン議長は「可能性はあるが、6週間しかなくデータが限られる」と述べて慎重な見方を示した。FRBは利上げの衝撃を最小限にするため市場との対話を重視しており、海外経済や金融市場の安定を見極めて追加利上げに踏み切る考えだ。

 各国中央銀行は世界景気への警戒を強めており、1月末には日銀がマイナス金利政策の導入を決め、今月10日には欧州中央銀行(ECB)が追加金融緩和に踏み切った。米経済が底堅く拡大する中でFRBが利上げペースを緩めるのは、主要国の協調的な市場安定策とみることもできる。

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