ヤマト運輸、メール便を廃止 「信書」違反防ぐ
利用者のリスク排除

2015/1/22付
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 ヤマト運輸は22日、3月末でメール便サービスを廃止すると発表した。メール便に手紙などの「信書」が交ざると、利用者に刑事罰が科される恐れがあり、誤った利用を避けるためだ。4月から3種類の新サービスを立ち上げ、顧客に乗り換えを促す。信書の配達を実質的に独占する日本郵政グループと所管する総務省との論争を喚起する狙いもある。

 「クロネコメール便」の名称で展開するメール便を3月末で廃止し、4月から「クロネコDM便」など3種類の新サービスを始める。

クロネコメール便の廃止と法人向け新サービスの「クロネコDM便」を発表するヤマト運輸の山内社長(22日午後、国交省)

クロネコメール便の廃止と法人向け新サービスの「クロネコDM便」を発表するヤマト運輸の山内社長(22日午後、国交省)

 新サービスでは法人向けをDM便とし、手紙など信書が入っていないことを確認したうえで受託する。消費者向けにパンフレットを送付する企業などの利用を想定している。

 メール便では信書を扱えない。法令を知らずにメール便に信書を同封するなどして、郵便法違反容疑で書類送検や警察から事情聴取されたケースがあり、ヤマトの顧客だけで2009年以降、8件発生した。22日に会見したヤマト運輸の山内雅喜社長は「信書の定義や範囲は曖昧で、利用者が知らずに容疑者になるリスクを排除する」と語った。

 化粧品など小口の荷物を送りたい個人や法人向けでは、現在の宅急便よりも一回り容量が小さく、割安な料金で運ぶサービスを追加する。送り先に直接手渡しするほか、DVDなどをポストに投函(とうかん)して届けるサービスも用意する。書類だけではなく、インターネット通販などで購入した小さい荷物の配送にメール便が利用されている実情に合わせる。

 ヤマト運輸は1997年からメール便を全国展開し、13年度の扱い高は約21億冊だった。売り上げ規模は約1200億円と、親会社のヤマトホールディングスの連結売上高の1割弱を占める。「メール便の9割を占める法人向けを新サービスに移行でき、新たな需要を掘り起こすことで業績面への影響は小さい」(山内氏)とみる。

 はがきや手紙などの信書の配達は実質的に日本郵政グループが独占している。ヤマト運輸は13年12月に信書を書類の大きさで定義する案を総務省の情報通信審議会に提出したが、昨年3月の中間答申などではヤマトの主張は受け入れられなかった。今秋に日本郵政グループの株式上場を控えるなか、山内氏は「互いに自由競争をするため、もう一度信書を議論する必要がある」と語った。

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